刑事裁判ドットコム A法律事務所設立への道〜弁護士になりたい!日記〜

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刑法 第211条2項 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処す
る。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

「裁判員」


裁判員制度についての知識を普及するため,裁判員制度広報用映画「裁判員〜選ばれ,そして見えてきたもの」のパンフレットから以下抜粋します。

● あなたが参加する裁判員制度
ご存知ですか?裁判員制度は,国民の中から選ばれた6人の裁判員が,3人の裁判官とともに刑事裁判の審理・評議に参加して,有罪・無罪を判断し,有罪の場合には刑の内容を決めるという新しい制度です。この制度は,平成21年5月にスタートします。

● 裁判員制度の目指すもの
 「裁判」という言葉を目にして,どのようなイメージを抱かれるでしょうか。「どこか堅苦しく縁遠い,近寄りがたい世界」というのが多くの方の正直な感想ではないでしょうか。裁判にとって慎重さは重要です。しかし,裁判が分かりにくく,疎遠なものになってはいけません。
 裁判員制度が導入されると,皆さんが刑事裁判に参加することになります。そのことで,刑事裁判は,より分かりやすく,迅速なものになります。また,皆さんの裁判に対する理解が深まり,より身近なものとなることが期待されます。
 検察官や弁護人は,裁判員に内容を理解してもらえるように,分かりやすく主張します。裁判官も,裁判員をパートナーとして迎えます。
 裁判員と裁判官が対話を重ね,知恵を持ち寄ることで,判決は,より分かりやすく,深みをもったものになるでしょう。様々な立場の方と接することは,裁判官はもちろん,皆さんにとっても貴重な体験となると思います。
 裁判員としての経験が,皆さんの人生をより豊かにすることを期待します。

● 裁判員選任手続の流れ(1) 選任手続期日当日まで

名簿の作成 地方裁判所は,管内の市町村の選挙管理委員会がくじで選んで作成した名簿に基づき,翌年の裁判員候補者名簿を作成します。
候補者への通知
調査票の送付 裁判員候補者名簿に記載されたことをお知らせします。また,制度を説明したパンフレットと,「調査票」をお送りします。「票差票」に必要事項を記入の上,返送していただきますと,例えば70歳以上の方など,どの時期でも辞退が認められることが明らかな方は,裁判所においでいただく必要がなくなります。
→ 就職禁止事由該当者などが抜ける。
【調査票で伺うこと】
・就職禁止事由の該当の有無。(例:自衛官,警察職員など)
・客観的な辞退事由に該当される方について1年を通じての辞退の希望,その理由。
 (例:70歳以上,学生または生徒,過去5年以内の裁判員,検察審査員等経験者など)
・思い疾病または傷害があるため裁判員としての参加が困難な方について1年を通じての辞退希望。
・1年のうち,特定の時期(月)について,特に参加が困難となるため,その特定の時期(月)については,辞退を希望する方。など
事件発生

裁判員候補者を選定 起訴後,裁判官,検察官,弁護人の三者で事件の争点及び証拠を整理して,裁判の日程を決めます。その後,事件ごとに,裁判員候補者名簿の中から,くじにより裁判員候補者を選びます。
「お知らせ」と質問表の送付 くじで選ばれた候補者の方には,裁判所にお越しいただく日をお知らせします。あわせて「質問票」も同封します。候補者の方には「質問票」に記入した上,裁判所に返送していただきます。「質問票」の記載内容により,辞退が認められた方は,裁判所にお越しいただかなくても済むようになります。なお,「お知らせ」には,候補者の方があらかじめ日程調整がしやすいように,裁判員に選ばれた場合には,いつからどの程度の期間,裁判員として務めていただくかが記載してあります。
【質問票で伺うこと】
・重い疾病または傷害により裁判所に出頭することが困難であるか。
・介護または養育が行われなければ日常生活を営むのに支障がある同居の親族がいるか。
・仕事における重要な用務があって,自らがこれを処理しなければ著しい損害が生じる恐れがあるか。
・他の期日に行うことができない,社会生活上の重要な用務があるか。
上記のいずれかに当てはまる方について,辞退を希望するかどうかの確認。
【辞退例】
・2ヶ月以上先まで手術の予定があり,裁判当日も長時間に及ぶ心臓手術がある心臓外科医
・重要な交渉で海外出張が決定し,裁判当日には日本にいないビジネスマン

● 裁判員選任手続の流れ(2) 選任手続期日当日

受付

手続の説明 事件の概要の説明を受けた後,当日用質問票を記入していただきます。
【当日用質問票で伺うこと】
・事件の関係者でないかどうかなど
質問手続 【当日に伺うこと】
・辞退を希望した詳しい事情や,公平な裁判をしてくれるかどうか,など
辞退事由等の判断 辞退の申立てを認めるかなどを判断。残った人から検察官と弁護人は,原則として4人ずつ,理由を示さない不選任請求ができます。
くじによる抽選 【裁判員に選ばれなかった候補者には】
・裁判員候補者として裁判所にお越しいただいた方全員に日当と旅費が支給されます。
6人の裁判員を選任 最終的に裁判員6人が選ばれます。
なお,午前中に選任手続を終了して,午後から審理を開始します。
裁判員の権限等の説明 選任された裁判員は,裁判員としての権限,義務,その他の必要事項の説明を裁判長から受けます。
宣誓 選ばれた裁判員は公平誠実に裁判員として勤めを果たしますとの宣誓をします。

あなたならどう判断する ―評議の行方


 

裁判員制度

最高裁判所 法務省 日本弁護士連合会 パンフレット
〔平成21年スタート〕
私の視点,私の感覚,私の言葉で参加します。
裁判員制度 より引用

裁判員制度をご存知ですか!
裁判員制度とは,国民のみなさんに裁判員として刑事裁判に参加してもらい,被告人が有罪かどうか,有罪の場合どのような刑にするかを裁判官と一緒に決めてもらう「国民の司法参加」を実現する制度です。この制度の創設を内容とする「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」(裁判員法)が,平成16年5月28日に公布されました。
この制度は,平成21年5月までの間にスタートします。

【私の視点,私の感覚,私の言葉で参加します。】

捜査:捜査機関(警察や検察官など)が証拠の収集などをします。
 ↓
起訴:検察官が被疑者について裁判を求める手続です。
 ↓
裁判の準備:充実した裁判を迅速に行うために,
裁判官,検察官,弁護人が,前もって打ち合わせをし,審理計画を立てます。
 ↓
裁判員を選ぶ:裁判員は6人,裁判官は3人です。
ただし,裁判員4人,裁判官1人の場合もあります。
 ↓
裁判員が参加する仕事

裁判を行う:法廷で証人の話を聞いたり,証拠を調べたりします。
 ↓
評議・評決:裁判員と裁判官で話し合い,有罪・無罪や刑の内容を決めます。
 ↓
判決:裁判長が判決を言い渡します。

これからはじまる!裁判員制度Q&A

Q1
裁判員制度はなぜ導入されるのですか? A 国民のみなさんが裁判に参加することによって,法律の専門家ではない人たちの感覚が,裁判の内容に反映されることになります。その結果,裁判が身近になり,国民のみなさんの司法に対する理解と信頼が深まることが期待されています。
 そして,国民のみなさんが,自分を取り巻く社会について考えることにつながり,より良い社会への第一歩となることが期待されています。
 国民が裁判に参加する制度は,アメリカ,イギリス,フランス,ドイツ,イタリアなど世界の国々で広く行われています。
★これまでの刑事裁判
 裁判官3人
★裁判員制度が導入されると…
 裁判官3人+裁判員6人
Q2
裁判員が参加するのは,どのような事件ですか? A 代表的な例をあげると,次のような場合があります。
@ 人を殺した場合(殺人)
A 強盗が,人にけがをさせ,あるいは,死亡させた場合(強盗致死傷)
B 人にけがをさせ,その結果,死亡させた場合(傷害致死)
C ひどく酒に酔った状態で,自動車を運転して人をひき,死亡させた場合(危険運転致死)
D 人が住んでいる家に放火した場合(現住建造物等放火)
6 身の代金を取る目的で,7 人を誘拐した場合(身の代金目的誘拐)
F 子供に食事を与えず,放置して,死亡させた場合(保護責任者遺棄致死)

■罪名別に見た裁判員裁判の対象となる事件数(平成17年)
罪名


強盗致傷
1110

殺人
690

現住建造物放火
322

強姦致死傷
274

偽造通貨行使
246

傷害致死
205

強盗強姦
162

強制わいせつ致死傷
132

強盗致死
123

覚せい剤取締法違反
118

通貨偽造
74

危険運転致死
43

銃砲刀剣類所持等取締法違反
37

麻薬特例法違反
19

身代金拐取
16

集団強姦致死傷
14

麻薬及び向精神取締法違反
10

その他
34



Q3
裁判員はどのようにして選ばれるのですか? A 最初に,選挙人名簿をもとに裁判員候補者名簿を作成します。裁判員は,この候補者名簿の中から,1つの事件ごとに,裁判所における選任手続により選ばれます。
@ 裁判員候補者名簿を作成します。
  選挙権のある人の中から,翌年の裁判員候補者となる人を毎年くじで選び,裁判所ごとに裁判員候補者名簿を作ります。名簿に載った人には連絡がいきます。
 ↓
A 事件ごとにくじで,裁判員候補者が選ばれます。
  事件ごとに,@の名簿の中からくじでその事件の裁判員候補者を選びます。
  選ばれた人には,裁判所に来てもらう日時等をお知らせします。
 ↓
B 裁判所で,候補者の中から裁判員を選ぶための手続が行われます。
  裁判長から,裁判員になれない理由(Q6参照)がないかどうか,辞退希望がある場合はその理由(Q8参照)などについて質問されます。裁判員になれない理由のある人や辞退が認められた人は候補者から除外されます。また,検察官や弁護人は,双方とも,法律で決められた人数の範囲内で候補者から除外されるべき人を指名することができ,指名された人は候補者から除外されます。
 ↓
C 裁判員が選ばれます。
  除外されなかった候補者から,裁判員が選ばれます。
Q4
裁判員に選ばれたら,どのようなことをするのですか? A
@ 公判に出席する(公開)
 裁判員に選ばれたら,裁判官と一緒に,刑事事件の審理(公判といいます。)に出席します。公判は,できる限り連続して開かれます。
 公判では,証拠として提出された物や書類を取り調べるほか,証人や被告人に対する質問が行われます。裁判員から,証人等に質問することもできます。
A 評議,評決をする(非公開)
 証拠に基づいて,被告人が有罪か無罪か,有罪だとしたらどんな刑にするべきかを,裁判官と一緒に議論し(評議),決定する(評決)ことになります。
 議論を尽くしても,全員一致の結論が得られない場合,評決は,多数決により行われます。ただし,その多数意見には,裁判官,裁判員のそれぞれ1人以上の賛成が必要とされています。
 有罪か無罪か,有罪の場合どのような刑にするかについての裁判員の意見は,裁判官と同じ扱いになります。
B 判決宣告(公開)
 評決内容が決まると,法廷で裁判長が判決の宣告をします。
 裁判員としての仕事は,判決の宣告により終了します。
Q5
裁判員になるために,資格はいらないのですか? A 衆議院議員の選挙権を有する人(20歳以上)であれば,原則として,誰でもなることができます。
 ただし,次のような人は,裁判員になることができません。
@ 欠格事由
 ・ 義務教育を終了していない人(義務教育を終了した人と同等以上の学識のある人は除きます。)
 ・ 禁固以上の刑に処せられた人
 ・ 心身の故障のため裁判員の職務の遂行に著しい支障のある人 など
A 就職禁止事由
 ・ 国会議員,国務大臣,国の行政機関の幹部職員
 ・ 司法関係者(裁判官,検察官,弁護士等),警察官
 ・ 都道府県知事及び市町村長(特別区長も含む)
 ・ 自衛官 など
B 事件に関連する不適格事由
 ・ 審理する事件の被告人又は被害者本人,その親族,同居人 など
C その他の不適格事由
 ・ 裁判所が不公正な裁判をするおそれがあると認めた人
Q6
裁判員は法律のことを知らなくても大丈夫ですか? A 裁判員は,法廷で聞いた証人の証言などの証拠に基づいて,他の裁判員や裁判官とともに行う評議を通じ,被告人が有罪か無罪か,有罪だとしたらどんな刑にするべきかを判断します。例えば,目撃者などの証言に基づいて,被告人が被疑者をナイフで刺したかどうかを判断することは,みなさんが,日常生活におけるいろいろな情報に基づいて,ある事実があったかなかったかを判断していることと基本的に同じであり,特に法律知識は必要ありません。なお,有罪か無罪かの判断の前提として法律知識が必要な場合は,裁判官から分かりやすく説明されますので,心配ありません。
 さらに,検察官や弁護人も,裁判員のみなさんにわかりやすい裁判が行われるように努力します。
Q7
裁判員になることを辞退することはできますか? A 広く国民のみなさんに参加してもらう制度ですので,原則として辞退できないことになっています。
 ただし,次のような人は,申し出をして,裁判所からそのような事情があると認められれば辞退することができます。
@ 70歳以上の人
A 地方公共団体の議会の議員(ただし会期中に限ります。)
B 学生又は生徒
C 過去5年以内に裁判員,検察審査員等を務めたことのある人
D 過去1年以内に裁判員候補者として裁判所に行ったことのある人
E 一定のやむを得ない理由があって,裁判員の職務を行うことや裁判所に行くことが困難な人
(やむを得ない理由とは,例えば)
・ 重い病気・けが
・ 同居の親族の介護・養育
・ 事業に著しい損害が生じるおそれがあること
・ 父母の葬式等
Q8
裁判員となるために仕事を休むことはできますか?
また,仕事を休んだことで会社から解雇されるようなことはありませんか? A 裁判員となるために必要な休みをとることは法律で認められていますし,裁判員として仕事を休んだことを理由として,会社が解雇などの不利益な取り扱いをすることは法律で禁止されています。

従業員が裁判員として刑事裁判に参加しやすくするため,各企業において,裁判員になる場合に対応した休暇制度を設けるなど,労使の自主的な取組が行われることが期待されます。


Q9
裁判員の守秘義務(秘密を守る義務)とはどのようなものですか? A 裁判員は,「評議の秘密」を守らなければなりません。評議の秘密とは,非公開の評議で誰がどのような意見を言ったかということなどです。後で公にされるのでは,批判等をおそれて,自由な意見交換ができなくなるおそれがあるからです。
 また,裁判員の仕事をする上で知った,事件と関係のない個人のプライバシーなどの秘密も,守らなければなりません。
 これらの秘密をもらす行為については罰則があります。
Q10
裁判員になったことでトラブルに巻き込まれませんか? A 裁判員の名前や住所などは公にはされません。
 評議の際にどの裁判員がどんな意見を述べたかは,明らかにされません。
 裁判員のみなさんの安全を確保するために,裁判員やその親族に対し,威迫行為をした者を処罰する規定が設けられています。
 なお,裁判員やその親族に危害が加えられるおそれがあり,裁判員の関与が非常に難しいようなごく例外的な事件は,裁判員が加わらず裁判官だけで裁判を行う場合があります。
Q11
裁判は時間がかかるのではないですか? A 実際の審理日数は,それぞれの事件の内容などにより異なりますので,一概には言えませんが,多くは数日間で終わるのではないかと見込まれています。
 国民のみなさんの負担をできるだけ軽くするような運用に努めていきたいと思います。
Q12
裁判員には日当や交通費は支払われるのですか? A 支払われます。
 具体的な金額については,今後決まります。
Q13
裁判員候補者として裁判所から呼ばれる可能性はどのくらいなのですか? A 平成17年の裁判員制度の対象となる事件は3629件でした。
 日本全国の選挙権をもっている人の数が約1億299万人(平成17年9月現在)ですので,仮に1事件につき裁判員候補者として50人から100人が呼ばれるとすると,1年間で約285人から570人に1人が裁判員候補者として呼ばれることになります。

裁判員制度 シンボルマークの意味
〔かたち〕
2つの円は「裁判官」と「裁判員」を表しています。2つの円が交わることで協力し合う姿勢を表しています。「∞」(無限大)を表現しています。法律を熟知した専門家である裁判官と,一般国民の代表である裁判員が協力し合うことで生じる効果が無限大であることを表しています。
〔いろ〕
親しみやすいパステル調の色合いをベースに,赤みがかった部分は「活発さ,情熱」を表現し,青みがかった部分は「冷静な判断」を表現しています。どちらの色が裁判官,裁判員という区別はしていません。
〔イメージ〕
「裁判員」のローマ字表記の頭文字「S」も表現しています。

 


刑法

(明治四十年四月二十四日法律第四十五号)


最終改正:平成一九年五月二三日法律第五四号


 刑法別冊ノ通之ヲ定ム
此法律施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
明治十三年第三十六号布告刑法ハ此法律施行ノ日ヨリ之ヲ廃止ス
   (別冊)


 第一編 総則
  第一章 通則(第一条―第八条)
  第二章 刑(第九条―第二十一条)
  第三章 期間計算(第二十二条―第二十四条)
  第四章 刑の執行猶予(第二十五条―第二十七条)
  第五章 仮釈放(第二十八条―第三十条)
  第六章 刑の時効及び刑の消滅(第三十一条―第三十四条の二)
  第七章 犯罪の不成立及び刑の減免(第三十五条―第四十二条)
  第八章 未遂罪(第四十三条・第四十四条)
  第九章 併合罪(第四十五条―第五十五条)
  第十章 累犯(第五十六条―第五十九条)
  第十一章 共犯(第六十条―第六十五条)
  第十二章 酌量減軽(第六十六条・第六十七条)
  第十三章 加重減軽の方法(第六十八条―第七十二条)
 第二編 罪
  第一章 削除
  第二章 内乱に関する罪(第七十七条―第八十条)
  第三章 外患に関する罪(第八十一条―第八十九条)
  第四章 国交に関する罪(第九十条―第九十四条)
  第五章 公務の執行を妨害する罪(第九十五条―第九十六条の三)
  第六章 逃走の罪(第九十七条―第百二条)
  第七章 犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪(第百三条―第百五条の二)
  第八章 騒乱の罪(第百六条・第百七条)
  第九章 放火及び失火の罪(第百八条―第百十八条)
  第十章 出水及び水利に関する罪(第百十九条―第百二十三条)
  第十一章 往来を妨害する罪(第百二十四条―第百二十九条)
  第十二章 住居を侵す罪(第百三十条―第百三十二条)
  第十三章 秘密を侵す罪(第百三十三条―第百三十五条)
  第十四章 あへん煙に関する罪(第百三十六条―第百四十一条)
  第十五章 飲料水に関する罪(第百四十二条―第百四十七条)
  第十六章 通貨偽造の罪(第百四十八条―第百五十三条)
  第十七章 文書偽造の罪(第百五十四条―第百六十一条の二)
  第十八章 有価証券偽造の罪(第百六十二条・第百六十三条)
  第十八章の二 支払用カード電磁的記録に関する罪(第百六十三条の二―第百六十三条の五)
  第十九章 印章偽造の罪(第百六十四条―第百六十八条)
  第二十章 偽証の罪(第百六十九条―第百七十一条)
  第二十一章 虚偽告訴の罪(第百七十二条・第百七十三条)
  第二十二章 わいせつ、姦淫及び重婚の罪(第百七十四条―第百八十四条)
  第二十三章 賭博及び富くじに関する罪(第百八十五条―第百八十七条)
  第二十四章 礼拝所及び墳墓に関する罪(第百八十八条―第百九十二条)
  第二十五章 汚職の罪(第百九十三条―第百九十八条)
  第二十六章 殺人の罪(第百九十九条―第二百三条)
  第二十七章 傷害の罪(第二百四条―第二百八条の三)
  第二十八章 過失傷害の罪(第二百九条―第二百十一条)
  第二十九章 堕胎の罪(第二百十二条―第二百十六条)
  第三十章 遺棄の罪(第二百十七条―第二百十九条)
  第三十一章 逮捕及び監禁の罪(第二百二十条・第二百二十一条)
  第三十二章 脅迫の罪(第二百二十二条・第二百二十三条)
  第三十三章 略取、誘拐及び人身売買の罪(第二百二十四条―第二百二十九条)
  第三十四章 名誉に対する罪(第二百三十条―第二百三十二条)
  第三十五章 信用及び業務に対する罪(第二百三十三条―第二百三十四条の二)
  第三十六章 窃盗及び強盗の罪(第二百三十五条―第二百四十五条)
  第三十七章 詐欺及び恐喝の罪(第二百四十六条―第二百五十一条)
  第三十八章 横領の罪(第二百五十二条―第二百五十五条)
  第三十九章 盗品等に関する罪(第二百五十六条・第二百五十七条)
  第四十章 毀棄及び隠匿の罪(第二百五十八条―第二百六十四条)
  第一編 総則
   第一章 通則


(国内犯)
第一条  この法律は、日本国内において罪を犯したすべての者に適用する。
2  日本国外にある日本船舶又は日本航空機内において罪を犯した者についても、前項と同様とする。

(すべての者の国外犯)
第二条  この法律は、日本国外において次に掲げる罪を犯したすべての者に適用する。
一  削除
二  第七十七条から第七十九条まで(内乱、予備及び陰謀、内乱等幇助)の罪
三  第八十一条(外患誘致)、第八十二条(外患援助)、第八十七条(未遂罪)及び第八十八条(予備及び陰謀)の罪
四  第百四十八条(通貨偽造及び行使等)の罪及びその未遂罪
五  第百五十四条(詔書偽造等)、第百五十五条(公文書偽造等)、第百五十七条(公正証書原本不実記載等)、第百五十八条(偽造公文書行使等)及び公務所又は公務員によって作られるべき電磁的記録に係る第百六十一条の二(電磁的記録不正作出及び供用)の罪
六  第百六十二条(有価証券偽造等)及び第百六十三条(偽造有価証券行使等)の罪
七  第百六十三条の二から第百六十三条の五まで(支払用カード電磁的記録不正作出等、不正電磁的記録カード所持、支払用カード電磁的記録不正作出準備、未遂罪)の罪
八  第百六十四条から第百六十六条まで(御璽偽造及び不正使用等、公印偽造及び不正使用等、公記号偽造及び不正使用等)の罪並びに第百六十四条第二項、第百六十五条第二項及び第百六十六条第二項の罪の未遂罪

(国民の国外犯)
第三条  この法律は、日本国外において次に掲げる罪を犯した日本国民に適用する。
一  第百八条(現住建造物等放火)及び第百九条第一項(非現住建造物等放火)の罪、これらの規定の例により処断すべき罪並びにこれらの罪の未遂罪
二  第百十九条(現住建造物等浸害)の罪
三  第百五十九条から第百六十一条まで(私文書偽造等、虚偽診断書等作成、偽造私文書等行使)及び前条第五号に規定する電磁的記録以外の電磁的記録に係る第百六十一条の二の罪
四  第百六十七条(私印偽造及び不正使用等)の罪及び同条第二項の罪の未遂罪
五  第百七十六条から第百七十九条まで(強制わいせつ、強姦、準強制わいせつ及び準強姦、集団強姦等、未遂罪)、第百八十一条(強制わいせつ等致死傷)及び第百八十四条(重婚)の罪
六  第百九十九条(殺人)の罪及びその未遂罪
七  第二百四条(傷害)及び第二百五条(傷害致死)の罪
八  第二百十四条から第二百十六条まで(業務上堕胎及び同致死傷、不同意堕胎、不同意堕胎致死傷)の罪
九  第二百十八条(保護責任者遺棄等)の罪及び同条の罪に係る第二百十九条(遺棄等致死傷)の罪
十  第二百二十条(逮捕及び監禁)及び第二百二十一条(逮捕等致死傷)の罪
十一  第二百二十四条から第二百二十八条まで(未成年者略取及び誘拐、営利目的等略取及び誘拐、身の代金目的略取等、所在国外移送目的略取及び誘拐、人身売買、被略取者等所在国外移送、被略取者引渡し等、未遂罪)の罪
十二  第二百三十条(名誉毀損)の罪
十三  第二百三十五条から第二百三十六条まで(窃盗、不動産侵奪、強盗)、第二百三十八条から第二百四十一条まで(事後強盗、昏酔強盗、強盗致死傷、強盗強姦及び同致死)及び第二百四十三条(未遂罪)の罪
十四  第二百四十六条から第二百五十条まで(詐欺、電子計算機使用詐欺、背任、準詐欺、恐喝、未遂罪)の罪
十五  第二百五十三条(業務上横領)の罪
十六  第二百五十六条第二項(盗品譲受け等)の罪

(国民以外の者の国外犯)
第三条の二  この法律は、日本国外において日本国民に対して次に掲げる罪を犯した日本国民以外の者に適用する。
一  第百七十六条から第百七十九条まで(強制わいせつ、強姦、準強制わいせつ及び準強姦、集団強姦等、未遂罪)及び第百八十一条(強制わいせつ等致死傷)の罪
二  第百九十九条(殺人)の罪及びその未遂罪
三  第二百四条(傷害)及び第二百五条(傷害致死)の罪
四  第二百二十条(逮捕及び監禁)及び第二百二十一条(逮捕等致死傷)の罪
五  第二百二十四条から第二百二十八条まで(未成年者略取及び誘拐、営利目的等略取及び誘拐、身の代金目的略取等、所在国外移送目的略取及び誘拐、人身売買、被略取者等所在国外移送、被略取者引渡し等、未遂罪)の罪
六  第二百三十六条(強盗)及び第二百三十八条から第二百四十一条まで(事後強盗、昏酔強盗、強盗致死傷、強盗強姦及び同致死)の罪並びにこれらの罪の未遂罪

(公務員の国外犯)
第四条  この法律は、日本国外において次に掲げる罪を犯した日本国の公務員に適用する。
一  第百一条(看守者等による逃走援助)の罪及びその未遂罪
二  第百五十六条(虚偽公文書作成等)の罪
三  第百九十三条(公務員職権濫用)、第百九十五条第二項(特別公務員暴行陵虐)及び第百九十七条から第百九十七条の四まで(収賄、受託収賄及び事前収賄、第三者供賄、加重収賄及び事後収賄、あっせん収賄)の罪並びに第百九十五条第二項の罪に係る第百九十六条(特別公務員職権濫用等致死傷)の罪

(条約による国外犯)
第四条の二  第二条から前条までに規定するもののほか、この法律は、日本国外において、第二編の罪であって条約により日本国外において犯したときであっても罰すべきものとされているものを犯したすべての者に適用する。

(外国判決の効力)
第五条  外国において確定裁判を受けた者であっても、同一の行為について更に処罰することを妨げない。ただし、犯人が既に外国において言い渡された刑の全部又は一部の執行を受けたときは、刑の執行を減軽し、又は免除する。

(刑の変更)
第六条  犯罪後の法律によって刑の変更があったときは、その軽いものによる。

(定義)
第七条  この法律において「公務員」とは、国又は地方公共団体の職員その他法令により公務に従事する議員、委員その他の職員をいう。
2  この法律において「公務所」とは、官公庁その他公務員が職務を行う所をいう。

第七条の二  この法律において「電磁的記録」とは、電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。

(他の法令の罪に対する適用)
第八条  この編の規定は、他の法令の罪についても、適用する。ただし、その法令に特別の規定があるときは、この限りでない。
   第二章 刑


(刑の種類)
第九条  死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする。

(刑の軽重)
第十条  主刑の軽重は、前条に規定する順序による。ただし、無期の禁錮と有期の懲役とでは禁錮を重い刑とし、有期の禁錮の長期が有期の懲役の長期の二倍を超えるときも、禁錮を重い刑とする。
2  同種の刑は、長期の長いもの又は多額の多いものを重い刑とし、長期又は多額が同じであるときは、短期の長いもの又は寡額の多いものを重い刑とする。
3  二個以上の死刑又は長期若しくは多額及び短期若しくは寡額が同じである同種の刑は、犯情によってその軽重を定める。

(死刑)
第十一条  死刑は、刑事施設内において、絞首して執行する。
2  死刑の言渡しを受けた者は、その執行に至るまで刑事施設に拘置する。

(懲役)
第十二条  懲役は、無期及び有期とし、有期懲役は、一月以上二十年以下とする。
2  懲役は、刑事施設に拘置して所定の作業を行わせる。

(禁錮)
第十三条  禁錮は、無期及び有期とし、有期禁錮は、一月以上二十年以下とする。
2  禁錮は、刑事施設に拘置する。

(有期の懲役及び禁錮の加減の限度)
第十四条  死刑又は無期の懲役若しくは禁錮を減軽して有期の懲役又は禁錮とする場合においては、その長期を三十年とする。
2  有期の懲役又は禁錮を加重する場合においては三十年にまで上げることができ、これを減軽する場合においては一月未満に下げることができる。

(罰金)
第十五条  罰金は、一万円以上とする。ただし、これを減軽する場合においては、一万円未満に下げることができる。

(拘留)
第十六条  拘留は、一日以上三十日未満とし、刑事施設に拘置する。

(科料)
第十七条  科料は、千円以上一万円未満とする。

(労役場留置)
第十八条  罰金を完納することができない者は、一日以上二年以下の期間、労役場に留置する。
2  科料を完納することができない者は、一日以上三十日以下の期間、労役場に留置する。
3  罰金を併科した場合又は罰金と科料とを併科した場合における留置の期間は、三年を超えることができない。科料を併科した場合における留置の期間は、六十日を超えることができない。
4  罰金又は科料の言渡しをするときは、その言渡しとともに、罰金又は科料を完納することができない場合における留置の期間を定めて言い渡さなければならない。
5  罰金については裁判が確定した後三十日以内、科料については裁判が確定した後十日以内は、本人の承諾がなければ留置の執行をすることができない。
6  罰金又は科料の一部を納付した者についての留置の日数は、その残額を留置一日の割合に相当する金額で除して得た日数(その日数に一日未満の端数を生じるときは、これを一日とする。)とする。

(没収)
第十九条  次に掲げる物は、没収することができる。
一  犯罪行為を組成した物
二  犯罪行為の用に供し、又は供しようとした物
三  犯罪行為によって生じ、若しくはこれによって得た物又は犯罪行為の報酬として得た物
四  前号に掲げる物の対価として得た物
2  没収は、犯人以外の者に属しない物に限り、これをすることができる。ただし、犯人以外の者に属する物であっても、犯罪の後にその者が情を知って取得したものであるときは、これを没収することができる。

(追徴)
第十九条の二  前条第一項第三号又は第四号に掲げる物の全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴することができる。

(没収の制限)
第二十条  拘留又は科料のみに当たる罪については、特別の規定がなければ、没収を科することができない。ただし、第十九条第一項第一号に掲げる物の没収については、この限りでない。

(未決勾留日数の本刑算入)
第二十一条  未決勾留の日数は、その全部又は一部を本刑に算入することができる。
   第三章 期間計算


(期間の計算)
第二十二条  月又は年によって期間を定めたときは、暦に従って計算する。

(刑期の計算)
第二十三条  刑期は、裁判が確定した日から起算する。
2  拘禁されていない日数は、裁判が確定した後であっても、刑期に算入しない。

(受刑等の初日及び釈放)
第二十四条  受刑の初日は、時間にかかわらず、一日として計算する。時効期間の初日についても、同様とする。
2  刑期が終了した場合における釈放は、その終了の日の翌日に行う。
   第四章 刑の執行猶予


(執行猶予)
第二十五条  次に掲げる者が三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から一年以上五年以下の期間、その執行を猶予することができる。
一  前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
二  前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
2  前に禁錮以上の刑に処せられたことがあってもその執行を猶予された者が一年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受け、情状に特に酌量すべきものがあるときも、前項と同様とする。ただし、次条第一項の規定により保護観察に付せられ、その期間内に更に罪を犯した者については、この限りでない。

(保護観察)
第二十五条の二  前条第一項の場合においては猶予の期間中保護観察に付することができ、同条第二項の場合においては猶予の期間中保護観察に付する。
2  保護観察は、行政官庁の処分によって仮に解除することができる。
3  保護観察を仮に解除されたときは、前条第二項ただし書及び第二十六条の二第二号の規定の適用については、その処分を取り消されるまでの間は、保護観察に付せられなかったものとみなす。

(執行猶予の必要的取消し)
第二十六条  次に掲げる場合においては、刑の執行猶予の言渡しを取り消さなければならない。ただし、第三号の場合において、猶予の言渡しを受けた者が第二十五条第一項第二号に掲げる者であるとき、又は次条第三号に該当するときは、この限りでない。
一  猶予の期間内に更に罪を犯して禁錮以上の刑に処せられ、その刑について執行猶予の言渡しがないとき。
二  猶予の言渡し前に犯した他の罪について禁錮以上の刑に処せられ、その刑について執行猶予の言渡しがないとき。
三  猶予の言渡し前に他の罪について禁錮以上の刑に処せられたことが発覚したとき。

(執行猶予の裁量的取消し)
第二十六条の二  次に掲げる場合においては、刑の執行猶予の言渡しを取り消すことができる。
一  猶予の期間内に更に罪を犯し、罰金に処せられたとき。
二  第二十五条の二第一項の規定により保護観察に付せられた者が遵守すべき事項を遵守せず、その情状が重いとき。
三  猶予の言渡し前に他の罪について禁錮以上の刑に処せられ、その執行を猶予されたことが発覚したとき。

(他の刑の執行猶予の取消し)
第二十六条の三  前二条の規定により禁錮以上の刑の執行猶予の言渡しを取り消したときは、執行猶予中の他の禁錮以上の刑についても、その猶予の言渡しを取り消さなければならない。

(猶予期間経過の効果)
第二十七条  刑の執行猶予の言渡しを取り消されることなく猶予の期間を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う。
   第五章 仮釈放


(仮釈放)
第二十八条  懲役又は禁錮に処せられた者に改悛の状があるときは、有期刑についてはその刑期の三分の一を、無期刑については十年を経過した後、行政官庁の処分によって仮に釈放することができる。

(仮釈放の取消し)
第二十九条  次に掲げる場合においては、仮釈放の処分を取り消すことができる。
一  仮釈放中に更に罪を犯し、罰金以上の刑に処せられたとき。
二  仮釈放前に犯した他の罪について罰金以上の刑に処せられたとき。
三  仮釈放前に他の罪について罰金以上の刑に処せられた者に対し、その刑の執行をすべきとき。
四  仮釈放中に遵守すべき事項を遵守しなかったとき。
2  仮釈放の処分を取り消したときは、釈放中の日数は、刑期に算入しない。

(仮出場)
第三十条  拘留に処せられた者は、情状により、いつでも、行政官庁の処分によって仮に出場を許すことができる。
2  罰金又は科料を完納することができないため留置された者も、前項と同様とする。
   第六章 刑の時効及び刑の消滅


(刑の時効)
第三十一条  刑の言渡しを受けた者は、時効によりその執行の免除を得る。

(時効の期間)
第三十二条  時効は、刑の言渡しが確定した後、次の期間その執行を受けないことによって完成する。
一  死刑については三十年
二  無期の懲役又は禁錮については二十年
三  十年以上の有期の懲役又は禁錮については十五年
四  三年以上十年未満の懲役又は禁錮については十年
五  三年未満の懲役又は禁錮については五年
六  罰金については三年
七  拘留、科料及び没収については一年

(時効の停止)
第三十三条  時効は、法令により執行を猶予し、又は停止した期間内は、進行しない。

(時効の中断)
第三十四条  死刑、懲役、禁錮及び拘留の時効は、刑の言渡しを受けた者をその執行のために拘束することによって中断する。
2  罰金、科料及び没収の時効は、執行行為をすることによって中断する。

(刑の消滅)
第三十四条の二  禁錮以上の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで十年を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う。罰金以下の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで五年を経過したときも、同様とする。
2  刑の免除の言渡しを受けた者が、その言渡しが確定した後、罰金以上の刑に処せられないで二年を経過したときは、刑の免除の言渡しは、効力を失う。
   第七章 犯罪の不成立及び刑の減免


(正当行為)
第三十五条  法令又は正当な業務による行為は、罰しない。

(正当防衛)
第三十六条  急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。
2  防衛の程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。

(緊急避難)
第三十七条  自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
2  前項の規定は、業務上特別の義務がある者には、適用しない。

(故意)
第三十八条  罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。
2  重い罪に当たるべき行為をしたのに、行為の時にその重い罪に当たることとなる事実を知らなかった者は、その重い罪によって処断することはできない。
3  法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない。ただし、情状により、その刑を減軽することができる。

(心神喪失及び心神耗弱)
第三十九条  心神喪失者の行為は、罰しない。
2  心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。

第四十条  削除

(責任年齢)
第四十一条  十四歳に満たない者の行為は、罰しない。

(自首等)
第四十二条  罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。
2  告訴がなければ公訴を提起することができない罪について、告訴をすることができる者に対して自己の犯罪事実を告げ、その措置にゆだねたときも、前項と同様とする。
   第八章 未遂罪


(未遂減免)
第四十三条  犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。

(未遂罪)
第四十四条  未遂を罰する場合は、各本条で定める。
   第九章 併合罪


(併合罪)
第四十五条  確定裁判を経ていない二個以上の罪を併合罪とする。ある罪について禁錮以上の刑に処する確定裁判があったときは、その罪とその裁判が確定する前に犯した罪とに限り、併合罪とする。

(併科の制限)
第四十六条  併合罪のうちの一個の罪について死刑に処するときは、他の刑を科さない。ただし、没収は、この限りでない。
2  併合罪のうちの一個の罪について無期の懲役又は禁錮に処するときも、他の刑を科さない。ただし、罰金、科料及び没収は、この限りでない。

(有期の懲役及び禁錮の加重)
第四十七条  併合罪のうちの二個以上の罪について有期の懲役又は禁錮に処するときは、その最も重い罪について定めた刑の長期にその二分の一を加えたものを長期とする。ただし、それぞれの罪について定めた刑の長期の合計を超えることはできない。

(罰金の併科等)
第四十八条  罰金と他の刑とは、併科する。ただし、第四十六条第一項の場合は、この限りでない。
2  併合罪のうちの二個以上の罪について罰金に処するときは、それぞれの罪について定めた罰金の多額の合計以下で処断する。

(没収の付加)
第四十九条  併合罪のうちの重い罪について没収を科さない場合であっても、他の罪について没収の事由があるときは、これを付加することができる。
2  二個以上の没収は、併科する。

(余罪の処理)
第五十条  併合罪のうちに既に確定裁判を経た罪とまだ確定裁判を経ていない罪とがあるときは、確定裁判を経ていない罪について更に処断する。

(併合罪に係る二個以上の刑の執行)
第五十一条  併合罪について二個以上の裁判があったときは、その刑を併せて執行する。ただし、死刑を執行すべきときは、没収を除き、他の刑を執行せず、無期の懲役又は禁錮を執行すべきときは、罰金、科料及び没収を除き、他の刑を執行しない。
2  前項の場合における有期の懲役又は禁錮の執行は、その最も重い罪について定めた刑の長期にその二分の一を加えたものを超えることができない。

(一部に大赦があった場合の措置)
第五十二条  併合罪について処断された者がその一部の罪につき大赦を受けたときは、他の罪について改めて刑を定める。

(拘留及び科料の併科)
第五十三条  拘留又は科料と他の刑とは、併科する。ただし、第四十六条の場合は、この限りでない。
2  二個以上の拘留又は科料は、併科する。

(一個の行為が二個以上の罪名に触れる場合等の処理)
第五十四条  一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。
2  第四十九条第二項の規定は、前項の場合にも、適用する。

第五十五条  削除
   第十章 累犯


(再犯)
第五十六条  懲役に処せられた者がその執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に更に罪を犯した場合において、その者を有期懲役に処するときは、再犯とする。
2  懲役に当たる罪と同質の罪により死刑に処せられた者がその執行の免除を得た日又は減刑により懲役に減軽されてその執行を終わった日若しくはその執行の免除を得た日から五年以内に更に罪を犯した場合において、その者を有期懲役に処するときも、前項と同様とする。
3  併合罪について処断された者が、その併合罪のうちに懲役に処すべき罪があったのに、その罪が最も重い罪でなかったため懲役に処せられなかったものであるときは、再犯に関する規定の適用については、懲役に処せられたものとみなす。

(再犯加重)
第五十七条  再犯の刑は、その罪について定めた懲役の長期の二倍以下とする。

第五十八条  削除

(三犯以上の累犯)
第五十九条  三犯以上の者についても、再犯の例による。
   第十一章 共犯


(共同正犯)
第六十条  二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。

(教唆)
第六十一条  人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する。
2  教唆者を教唆した者についても、前項と同様とする。

(幇助)
第六十二条  正犯を幇助した者は、従犯とする。
2  従犯を教唆した者には、従犯の刑を科する。

(従犯減軽)
第六十三条  従犯の刑は、正犯の刑を減軽する。

(教唆及び幇助の処罰の制限)
第六十四条  拘留又は科料のみに処すべき罪の教唆者及び従犯は、特別の規定がなければ、罰しない。

(身分犯の共犯)
第六十五条  犯人の身分によって構成すべき犯罪行為に加功したときは、身分のない者であっても、共犯とする。
2  身分によって特に刑の軽重があるときは、身分のない者には通常の刑を科する。
   第十二章 酌量減軽


(酌量減軽)
第六十六条  犯罪の情状に酌量すベきものがあるときは、その刑を減軽することができる。

(法律上の加減と酌量減軽)
第六十七条  法律上刑を加重し、又は減軽する場合であっても、酌量減軽をすることができる。
   第十三章 加重減軽の方法


(法律上の減軽の方法)
第六十八条  法律上刑を減軽すべき一個又は二個以上の事由があるときは、次の例による。
一  死刑を減軽するときは、無期の懲役若しくは禁錮又は十年以上の懲役若しくは禁錮とする。
二  無期の懲役又は禁錮を減軽するときは、七年以上の有期の懲役又は禁錮とする。
三  有期の懲役又は禁錮を減軽するときは、その長期及び短期の二分の一を減ずる。
四  罰金を減軽するときは、その多額及び寡額の二分の一を減ずる。
五  拘留を減軽するときは、その長期の二分の一を減ずる。
六  科料を減軽するときは、その多額の二分の一を減ずる。

(法律上の減軽と刑の選択)
第六十九条  法律上刑を減軽すべき場合において、各本条に二個以上の刑名があるときは、まず適用する刑を定めて、その刑を減軽する。

(端数の切捨て)
第七十条  懲役、禁錮又は拘留を減軽することにより一日に満たない端数が生じたときは、これを切り捨てる。

(酌量減軽の方法)
第七十一条  酌量減軽をするときも、第六十八条及び前条の例による。

(加重減軽の順序)
第七十二条  同時に刑を加重し、又は減軽するときは、次の順序による。
一  再犯加重
二  法律上の減軽
三  併合罪の加重
四  酌量減軽
  第二編 罪
   第一章 削除


第七十三条  削除

第七十四条  削除

第七十五条  削除

第七十六条  削除
   第二章 内乱に関する罪


(内乱)
第七十七条  国の統治機構を破壊し、又はその領土において国権を排除して権力を行使し、その他憲法の定める統治の基本秩序を壊乱することを目的として暴動をした者は、内乱の罪とし、次の区別に従って処断する。
一  首謀者は、死刑又は無期禁錮に処する。
二  謀議に参与し、又は群衆を指揮した者は無期又は三年以上の禁錮に処し、その他諸般の職務に従事した者は一年以上十年以下の禁錮に処する。
三  付和随行し、その他単に暴動に参加した者は、三年以下の禁錮に処する。
2  前項の罪の未遂は、罰する。ただし、同項第三号に規定する者については、この限りでない。

(予備及び陰謀)
第七十八条  内乱の予備又は陰謀をした者は、一年以上十年以下の禁錮に処する。

(内乱等幇助)
第七十九条  兵器、資金若しくは食糧を供給し、又はその他の行為により、前二条の罪を幇助した者は、七年以下の禁錮に処する。

(自首による刑の免除)
第八十条  前二条の罪を犯した者であっても、暴動に至る前に自首したときは、その刑を免除する。
   第三章 外患に関する罪


(外患誘致)
第八十一条  外国と通謀して日本国に対し武力を行使させた者は、死刑に処する。

(外患援助)
第八十二条  日本国に対して外国から武力の行使があったときに、これに加担して、その軍務に服し、その他これに軍事上の利益を与えた者は、死刑又は無期若しくは二年以上の懲役に処する。

第八十三条  削除

第八十四条  削除

第八十五条  削除

第八十六条  削除

(未遂罪)
第八十七条  第八十一条及び第八十二条の罪の未遂は、罰する。

(予備及び陰謀)
第八十八条  第八十一条又は第八十二条の罪の予備又は陰謀をした者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

第八十九条  削除
   第四章 国交に関する罪


第九十条  削除

第九十一条  削除

(外国国章損壊等)
第九十二条  外国に対して侮辱を加える目的で、その国の国旗その他の国章を損壊し、除去し、又は汚損した者は、二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
2  前項の罪は、外国政府の請求がなければ公訴を提起することができない。

(私戦予備及び陰謀)
第九十三条  外国に対して私的に戦闘行為をする目的で、その予備又は陰謀をした者は、三月以上五年以下の禁錮に処する。ただし、自首した者は、その刑を免除する。

(中立命令違反)
第九十四条  外国が交戦している際に、局外中立に関する命令に違反した者は、三年以下の禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
   第五章 公務の執行を妨害する罪


(公務執行妨害及び職務強要)
第九十五条  公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
2  公務員に、ある処分をさせ、若しくはさせないため、又はその職を辞させるために、暴行又は脅迫を加えた者も、前項と同様とする。

(封印等破棄)
第九十六条  公務員が施した封印若しくは差押えの表示を損壊し、又はその他の方法で無効にした者は、二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

(強制執行妨害)
第九十六条の二  強制執行を免れる目的で、財産を隠匿し、損壊し、若しくは仮装譲渡し、又は仮装の債務を負担した者は、二年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

(競売等妨害)
第九十六条の三  偽計又は威力を用いて、公の競売又は入札の公正を害すべき行為をした者は、二年以下の懲役又は二百五十万円以下の罰金に処する。
2  公正な価格を害し又は不正な利益を得る目的で、談合した者も、前項と同様とする。
   第六章 逃走の罪


(逃走)
第九十七条  裁判の執行により拘禁された既決又は未決の者が逃走したときは、一年以下の懲役に処する。

(加重逃走)
第九十八条  前条に規定する者又は勾引状の執行を受けた者が拘禁場若しくは拘束のための器具を損壊し、暴行若しくは脅迫をし、又は二人以上通謀して、逃走したときは、三月以上五年以下の懲役に処する。

(被拘禁者奪取)
第九十九条  法令により拘禁された者を奪取した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

(逃走援助)
第百条  法令により拘禁された者を逃走させる目的で、器具を提供し、その他逃走を容易にすべき行為をした者は、三年以下の懲役に処する。
2  前項の目的で、暴行又は脅迫をした者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

(看守者等による逃走援助)
第百一条  法令により拘禁された者を看守し又は護送する者がその拘禁された者を逃走させたときは、一年以上十年以下の懲役に処する。

(未遂罪)
第百二条  この章の罪の未遂は、罰する。
   第七章 犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪


(犯人蔵匿等)
第百三条  罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

(証拠隠滅等)
第百四条  他人の刑事事件に関する証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者は、二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

(親族による犯罪に関する特例)
第百五条  前二条の罪については、犯人又は逃走した者の親族がこれらの者の利益のために犯したときは、その刑を免除することができる。

(証人等威迫)
第百五条の二  自己若しくは他人の刑事事件の捜査若しくは審判に必要な知識を有すると認められる者又はその親族に対し、当該事件に関して、正当な理由がないのに面会を強請し、又は強談威迫の行為をした者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
   第八章 騒乱の罪


(騒乱)
第百六条  多衆で集合して暴行又は脅迫をした者は、騒乱の罪とし、次の区別に従って処断する。
一  首謀者は、一年以上十年以下の懲役又は禁錮に処する。
二  他人を指揮し、又は他人に率先して勢いを助けた者は、六月以上七年以下の懲役又は禁錮に処する。
三  付和随行した者は、十万円以下の罰金に処する。

(多衆不解散)
第百七条  暴行又は脅迫をするため多衆が集合した場合において、権限のある公務員から解散の命令を三回以上受けたにもかかわらず、なお解散しなかったときは、首謀者は三年以下の懲役又は禁錮に処し、その他の者は十万円以下の罰金に処する。
   第九章 放火及び失火の罪


(現住建造物等放火)
第百八条  放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

(非現住建造物等放火)
第百九条  放火して、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船又は鉱坑を焼損した者は、二年以上の有期懲役に処する。
2  前項の物が自己の所有に係るときは、六月以上七年以下の懲役に処する。ただし、公共の危険を生じなかったときは、罰しない。

(建造物等以外放火)
第百十条  放火して、前二条に規定する物以外の物を焼損し、よって公共の危険を生じさせた者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
2  前項の物が自己の所有に係るときは、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

(延焼)
第百十一条  第百九条第二項又は前条第二項の罪を犯し、よって第百八条又は第百九条第一項に規定する物に延焼させたときは、三月以上十年以下の懲役に処する。
2  前条第二項の罪を犯し、よって同条第一項に規定する物に延焼させたときは、三年以下の懲役に処する。

(未遂罪)
第百十二条  第百八条及び第百九条第一項の罪の未遂は、罰する。

(予備)
第百十三条  第百八条又は第百九条第一項の罪を犯す目的で、その予備をした者は、二年以下の懲役に処する。ただし、情状により、その刑を免除することができる。

(消火妨害)
第百十四条  火災の際に、消火用の物を隠匿し、若しくは損壊し、又はその他の方法により、消火を妨害した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

(差押え等に係る自己の物に関する特例)
第百十五条  第百九条第一項及び第百十条第一項に規定する物が自己の所有に係るものであっても、差押えを受け、物権を負担し、賃貸し、又は保険に付したものである場合において、これを焼損したときは、他人の物を焼損した者の例による。

(失火)
第百十六条  失火により、第百八条に規定する物又は他人の所有に係る第百九条に規定する物を焼損した者は、五十万円以下の罰金に処する。
2  失火により、第百九条に規定する物であって自己の所有に係るもの又は第百十条に規定する物を焼損し、よって公共の危険を生じさせた者も、前項と同様とする。

(激発物破裂)
第百十七条  火薬、ボイラーその他の激発すべき物を破裂させて、第百八条に規定する物又は他人の所有に係る第百九条に規定する物を損壊した者は、放火の例による。第百九条に規定する物であって自己の所有に係るもの又は第百十条に規定する物を損壊し、よって公共の危険を生じさせた者も、同様とする。
2  前項の行為が過失によるときは、失火の例による。

(業務上失火等)
第百十七条の二  第百十六条又は前条第一項の行為が業務上必要な注意を怠ったことによるとき、又は重大な過失によるときは、三年以下の禁錮又は百五十万円以下の罰金に処する。

(ガス漏出等及び同致死傷)
第百十八条  ガス、電気又は蒸気を漏出させ、流出させ、又は遮断し、よって人の生命、身体又は財産に危険を生じさせた者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
2  ガス、電気又は蒸気を漏出させ、流出させ、又は遮断し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
   第十章 出水及び水利に関する罪


(現住建造物等浸害)
第百十九条  出水させて、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車又は鉱坑を浸害した者は、死刑又は無期若しくは三年以上の懲役に処する。

(非現住建造物等浸害)
第百二十条  出水させて、前条に規定する物以外の物を浸害し、よって公共の危険を生じさせた者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
2  浸害した物が自己の所有に係るときは、その物が差押えを受け、物権を負担し、賃貸し、又は保険に付したものである場合に限り、前項の例による。

(水防妨害)
第百二十一条  水害の際に、水防用の物を隠匿し、若しくは損壊し、又はその他の方法により、水防を妨害した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

(過失建造物等浸害)
第百二十二条  過失により出水させて、第百十九条に規定する物を浸害した者又は第百二十条に規定する物を浸害し、よって公共の危険を生じさせた者は、二十万円以下の罰金に処する。

(水利妨害及び出水危険)
第百二十三条  堤防を決壊させ、水門を破壊し、その他水利の妨害となるべき行為又は出水させるべき行為をした者は、二年以下の懲役若しくは禁錮又は二十万円以下の罰金に処する。
   第十一章 往来を妨害する罪


(往来妨害及び同致死傷)
第百二十四条  陸路、水路又は橋を損壊し、又は閉塞して往来の妨害を生じさせた者は、二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
2  前項の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

(往来危険)
第百二十五条  鉄道若しくはその標識を損壊し、又はその他の方法により、汽車又は電車の往来の危険を生じさせた者は、二年以上の有期懲役に処する。
2  灯台若しくは浮標を損壊し、又はその他の方法により、艦船の往来の危険を生じさせた者も、前項と同様とする。

(汽車転覆等及び同致死)
第百二十六条  現に人がいる汽車又は電車を転覆させ、又は破壊した者は、無期又は三年以上の懲役に処する。
2  現に人がいる艦船を転覆させ、沈没させ、又は破壊した者も、前項と同様とする。
3  前二項の罪を犯し、よって人を死亡させた者は、死刑又は無期懲役に処する。

(往来危険による汽車転覆等)
第百二十七条  第百二十五条の罪を犯し、よって汽車若しくは電車を転覆させ、若しくは破壊し、又は艦船を転覆させ、沈没させ、若しくは破壊した者も、前条の例による。

(未遂罪)
第百二十八条  第百二十四条第一項、第百二十五条並びに第百二十六条第一項及び第二項の罪の未遂は、罰する。

(過失往来危険)
第百二十九条  過失により、汽車、電車若しくは艦船の往来の危険を生じさせ、又は汽車若しくは電車を転覆させ、若しくは破壊し、若しくは艦船を転覆させ、沈没させ、若しくは破壊した者は、三十万円以下の罰金に処する。
2  その業務に従事する者が前項の罪を犯したときは、三年以下の禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
   第十二章 住居を侵す罪


(住居侵入等)
第百三十条  正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

第百三十一条  削除

(未遂罪)
第百三十二条  第百三十条の罪の未遂は、罰する。
   第十三章 秘密を侵す罪


(信書開封)
第百三十三条  正当な理由がないのに、封をしてある信書を開けた者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

(秘密漏示)
第百三十四条  医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
2  宗教、祈祷若しくは祭祀の職にある者又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときも、前項と同様とする。

(親告罪)
第百三十五条  この章の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
   第十四章 あへん煙に関する罪


(あへん煙輸入等)
第百三十六条  あへん煙を輸入し、製造し、販売し、又は販売の目的で所持した者は、六月以上七年以下の懲役に処する。

(あへん煙吸食器具輸入等)
第百三十七条  あへん煙を吸食する器具を輸入し、製造し、販売し、又は販売の目的で所持した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

(税関職員によるあへん煙輸入等)
第百三十八条  税関職員が、あへん煙又はあへん煙を吸食するための器具を輸入し、又はこれらの輸入を許したときは、一年以上十年以下の懲役に処する。

(あへん煙吸食及び場所提供)
第百三十九条  あへん煙を吸食した者は、三年以下の懲役に処する。
2  あへん煙の吸食のため建物又は室を提供して利益を図った者は、六月以上七年以下の懲役に処する。

(あへん煙等所持)
第百四十条  あへん煙又はあへん煙を吸食するための器具を所持した者は、一年以下の懲役に処する。

(未遂罪)
第百四十一条  この章の罪の未遂は、罰する。
   第十五章 飲料水に関する罪


(浄水汚染)
第百四十二条  人の飲料に供する浄水を汚染し、よって使用することができないようにした者は、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

(水道汚染)
第百四十三条  水道により公衆に供給する飲料の浄水又はその水源を汚染し、よって使用することができないようにした者は、六月以上七年以下の懲役に処する。

(浄水毒物等混入)
第百四十四条  人の飲料に供する浄水に毒物その他人の健康を害すべき物を混入した者は、三年以下の懲役に処する。

(浄水汚染等致死傷)
第百四十五条  前三条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

(水道毒物等混入及び同致死)
第百四十六条  水道により公衆に供給する飲料の浄水又はその水源に毒物その他人の健康を害すべき物を混入した者は、二年以上の有期懲役に処する。よって人を死亡させた者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

(水道損壊及び閉塞)
第百四十七条  公衆の飲料に供する浄水の水道を損壊し、又は閉塞した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
   第十六章 通貨偽造の罪


(通貨偽造及び行使等)
第百四十八条  行使の目的で、通用する貨幣、紙幣又は銀行券を偽造し、又は変造した者は、無期又は三年以上の懲役に処する。
2  偽造又は変造の貨幣、紙幣又は銀行券を行使し、又は行使の目的で人に交付し、若しくは輸入した者も、前項と同様とする。

(外国通貨偽造及び行使等)
第百四十九条  行使の目的で、日本国内に流通している外国の貨幣、紙幣又は銀行券を偽造し、又は変造した者は、二年以上の有期懲役に処する。
2  偽造又は変造の外国の貨幣、紙幣又は銀行券を行使し、又は行使の目的で人に交付し、若しくは輸入した者も、前項と同様とする。

(偽造通貨等収得)
第百五十条  行使の目的で、偽造又は変造の貨幣、紙幣又は銀行券を収得した者は、三年以下の懲役に処する。

(未遂罪)
第百五十一条  前三条の罪の未遂は、罰する。

(収得後知情行使等)
第百五十二条  貨幣、紙幣又は銀行券を収得した後に、それが偽造又は変造のものであることを知って、これを行使し、又は行使の目的で人に交付した者は、その額面価格の三倍以下の罰金又は科料に処する。ただし、二千円以下にすることはできない。

(通貨偽造等準備)
第百五十三条  貨幣、紙幣又は銀行券の偽造又は変造の用に供する目的で、器械又は原料を準備した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。
   第十七章 文書偽造の罪


(詔書偽造等)
第百五十四条  行使の目的で、御璽、国璽若しくは御名を使用して詔書その他の文書を偽造し、又は偽造した御璽、国璽若しくは御名を使用して詔書その他の文書を偽造した者は、無期又は三年以上の懲役に処する。
2  御璽若しくは国璽を押し又は御名を署した詔書その他の文書を変造した者も、前項と同様とする。

(公文書偽造等)
第百五十五条  行使の目的で、公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
2  公務所又は公務員が押印し又は署名した文書又は図画を変造した者も、前項と同様とする。
3  前二項に規定するもののほか、公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は公務所若しくは公務員が作成した文書若しくは図画を変造した者は、三年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

(虚偽公文書作成等)
第百五十六条  公務員が、その職務に関し、行使の目的で、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は文書若しくは図画を変造したときは、印章又は署名の有無により区別して、前二条の例による。

(公正証書原本不実記載等)
第百五十七条  公務員に対し虚偽の申立てをして、登記簿、戸籍簿その他の権利若しくは義務に関する公正証書の原本に不実の記載をさせ、又は権利若しくは義務に関する公正証書の原本として用いられる電磁的記録に不実の記録をさせた者は、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
2  公務員に対し虚偽の申立てをして、免状、鑑札又は旅券に不実の記載をさせた者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
3  前二項の罪の未遂は、罰する。

(偽造公文書行使等)
第百五十八条  第百五十四条から前条までの文書若しくは図画を行使し、又は前条第一項の電磁的記録を公正証書の原本としての用に供した者は、その文書若しくは図画を偽造し、若しくは変造し、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は不実の記載若しくは記録をさせた者と同一の刑に処する。
2  前項の罪の未遂は、罰する。

(私文書偽造等)
第百五十九条  行使の目的で、他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。
2  他人が押印し又は署名した権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を変造した者も、前項と同様とする。
3  前二項に規定するもののほか、権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を偽造し、又は変造した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

(虚偽診断書等作成)
第百六十条  医師が公務所に提出すべき診断書、検案書又は死亡証書に虚偽の記載をしたときは、三年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処する。

(偽造私文書等行使)
第百六十一条  前二条の文書又は図画を行使した者は、その文書若しくは図画を偽造し、若しくは変造し、又は虚偽の記載をした者と同一の刑に処する。
2  前項の罪の未遂は、罰する。

(電磁的記録不正作出及び供用)
第百六十一条の二  人の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理の用に供する権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を不正に作った者は、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
2  前項の罪が公務所又は公務員により作られるべき電磁的記録に係るときは、十年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
3  不正に作られた権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を、第一項の目的で、人の事務処理の用に供した者は、その電磁的記録を不正に作った者と同一の刑に処する。
4  前項の罪の未遂は、罰する。
   第十八章 有価証券偽造の罪


(有価証券偽造等)
第百六十二条  行使の目的で、公債証書、官庁の証券、会社の株券その他の有価証券を偽造し、又は変造した者は、三月以上十年以下の懲役に処する。
2  行使の目的で、有価証券に虚偽の記入をした者も、前項と同様とする。

(偽造有価証券行使等)
第百六十三条  偽造若しくは変造の有価証券又は虚偽の記入がある有価証券を行使し、又は行使の目的で人に交付し、若しくは輸入した者は、三月以上十年以下の懲役に処する。
2  前項の罪の未遂は、罰する。
   第十八章の二 支払用カード電磁的記録に関する罪


(支払用カード電磁的記録不正作出等)
第百六十三条の二  人の財産上の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理の用に供する電磁的記録であって、クレジットカードその他の代金又は料金の支払用のカードを構成するものを不正に作った者は、十年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。預貯金の引出用のカードを構成する電磁的記録を不正に作った者も、同様とする。
2  不正に作られた前項の電磁的記録を、同項の目的で、人の財産上の事務処理の用に供した者も、同項と同様とする。
3  不正に作られた第一項の電磁的記録をその構成部分とするカードを、同項の目的で、譲り渡し、貸し渡し、又は輸入した者も、同項と同様とする。

(不正電磁的記録カード所持)
第百六十三条の三  前条第一項の目的で、同条第三項のカードを所持した者は、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

(支払用カード電磁的記録不正作出準備)
第百六十三条の四  第百六十三条の二第一項の犯罪行為の用に供する目的で、同項の電磁的記録の情報を取得した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。情を知って、その情報を提供した者も、同様とする。
2  不正に取得された第百六十三条の二第一項の電磁的記録の情報を、前項の目的で保管した者も、同項と同様とする。
3  第一項の目的で、器械又は原料を準備した者も、同項と同様とする。

(未遂罪)
第百六十三条の五  第百六十三条の二及び前条第一項の罪の未遂は、罰する。
   第十九章 印章偽造の罪


(御璽偽造及び不正使用等)
第百六十四条  行使の目的で、御璽、国璽又は御名を偽造した者は、二年以上の有期懲役に処する。
2  御璽、国璽若しくは御名を不正に使用し、又は偽造した御璽、国璽若しくは御名を使用した者も、前項と同様とする。

(公印偽造及び不正使用等)
第百六十五条  行使の目的で、公務所又は公務員の印章又は署名を偽造した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。
2  公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を不正に使用し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用した者も、前項と同様とする。

(公記号偽造及び不正使用等)
第百六十六条  行使の目的で、公務所の記号を偽造した者は、三年以下の懲役に処する。
2  公務所の記号を不正に使用し、又は偽造した公務所の記号を使用した者も、前項と同様とする。

(私印偽造及び不正使用等)
第百六十七条  行使の目的で、他人の印章又は署名を偽造した者は、三年以下の懲役に処する。
2  他人の印章若しくは署名を不正に使用し、又は偽造した印章若しくは署名を使用した者も、前項と同様とする。

(未遂罪)
第百六十八条  第百六十四条第二項、第百六十五条第二項、第百六十六条第二項及び前条第二項の罪の未遂は、罰する。
   第二十章 偽証の罪


(偽証)
第百六十九条  法律により宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処する。

(自白による刑の減免)
第百七十条  前条の罪を犯した者が、その証言をした事件について、その裁判が確定する前又は懲戒処分が行われる前に自白したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。

(虚偽鑑定等)
第百七十一条  法律により宣誓した鑑定人、通訳人又は翻訳人が虚偽の鑑定、通訳又は翻訳をしたときは、前二条の例による。
   第二十一章 虚偽告訴の罪


(虚偽告訴等)
第百七十二条  人に刑事又は懲戒の処分を受けさせる目的で、虚偽の告訴、告発その他の申告をした者は、三月以上十年以下の懲役に処する。

(自白による刑の減免)
第百七十三条  前条の罪を犯した者が、その申告をした事件について、その裁判が確定する前又は懲戒処分が行われる前に自白したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。
   第二十二章 わいせつ、姦淫及び重婚の罪


(公然わいせつ)
第百七十四条  公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

(わいせつ物頒布等)
第百七十五条  わいせつな文書、図画その他の物を頒布し、販売し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役又は二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処する。販売の目的でこれらの物を所持した者も、同様とする。

(強制わいせつ)
第百七十六条  十三歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

(強姦)
第百七十七条  暴行又は脅迫を用いて十三歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、三年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。

(準強制わいせつ及び準強姦)
第百七十八条  人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第百七十六条の例による。
2  女子の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、姦淫した者は、前条の例による。

(集団強姦等)
第百七十八条の二  二人以上の者が現場において共同して第百七十七条又は前条第二項の罪を犯したときは、四年以上の有期懲役に処する。

(未遂罪)
第百七十九条  第百七十六条から前条までの罪の未遂は、罰する。

(親告罪)
第百八十条  第百七十六条から第百七十八条までの罪及びこれらの罪の未遂罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
2  前項の規定は、二人以上の者が現場において共同して犯した第百七十六条若しくは第百七十八条第一項の罪又はこれらの罪の未遂罪については、適用しない。

(強制わいせつ等致死傷)
第百八十一条  第百七十六条若しくは第百七十八条第一項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は三年以上の懲役に処する。
2  第百七十七条若しくは第百七十八条第二項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、無期又は五年以上の懲役に処する。
3  第百七十八条の二の罪又はその未遂罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、無期又は六年以上の懲役に処する。

(淫行勧誘)
第百八十二条  営利の目的で、淫行の常習のない女子を勧誘して姦淫させた者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

第百八十三条  削除

(重婚)
第百八十四条  配偶者のある者が重ねて婚姻をしたときは、二年以下の懲役に処する。その相手方となって婚姻をした者も、同様とする。
   第二十三章 賭博及び富くじに関する罪


(賭博)
第百八十五条  賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。

(常習賭博及び賭博場開張等図利)
第百八十六条  常習として賭博をした者は、三年以下の懲役に処する。
2  賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

(富くじ発売等)
第百八十七条  富くじを発売した者は、二年以下の懲役又は百五十万円以下の罰金に処する。
2  富くじ発売の取次ぎをした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
3  前二項に規定するもののほか、富くじを授受した者は、二十万円以下の罰金又は科料に処する。
   第二十四章 礼拝所及び墳墓に関する罪


(礼拝所不敬及び説教等妨害)
第百八十八条  神祠、仏堂、墓所その他の礼拝所に対し、公然と不敬な行為をした者は、六月以下の懲役若しくは禁錮又は十万円以下の罰金に処する。
2  説教、礼拝又は葬式を妨害した者は、一年以下の懲役若しくは禁錮又は十万円以下の罰金に処する。

(墳墓発掘)
第百八十九条  墳墓を発掘した者は、二年以下の懲役に処する。

(死体損壊等)
第百九十条  死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する。

(墳墓発掘死体損壊等)
第百九十一条  第百八十九条の罪を犯して、死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

(変死者密葬)
第百九十二条  検視を経ないで変死者を葬った者は、十万円以下の罰金又は科料に処する。
   第二十五章 汚職の罪


(公務員職権濫用)
第百九十三条  公務員がその職権を濫用して、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害したときは、二年以下の懲役又は禁錮に処する。

(特別公務員職権濫用)
第百九十四条  裁判、検察若しくは警察の職務を行う者又はこれらの職務を補助する者がその職権を濫用して、人を逮捕し、又は監禁したときは、六月以上十年以下の懲役又は禁錮に処する。

(特別公務員暴行陵虐)
第百九十五条  裁判、検察若しくは警察の職務を行う者又はこれらの職務を補助する者が、その職務を行うに当たり、被告人、被疑者その他の者に対して暴行又は陵辱若しくは加虐の行為をしたときは、七年以下の懲役又は禁錮に処する。
2  法令により拘禁された者を看守し又は護送する者がその拘禁された者に対して暴行又は陵辱若しくは加虐の行為をしたときも、前項と同様とする。

(特別公務員職権濫用等致死傷)
第百九十六条  前二条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

(収賄、受託収賄及び事前収賄)
第百九十七条  公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役に処する。この場合において、請託を受けたときは、七年以下の懲役に処する。
2  公務員になろうとする者が、その担当すべき職務に関し、請託を受けて、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、公務員となった場合において、五年以下の懲役に処する。

(第三者供賄)
第百九十七条の二  公務員が、その職務に関し、請託を受けて、第三者に賄賂を供与させ、又はその供与の要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役に処する。

(加重収賄及び事後収賄)
第百九十七条の三  公務員が前二条の罪を犯し、よって不正な行為をし、又は相当の行為をしなかったときは、一年以上の有期懲役に処する。
2  公務員が、その職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、若しくはその要求若しくは約束をし、又は第三者にこれを供与させ、若しくはその供与の要求若しくは約束をしたときも、前項と同様とする。
3  公務員であった者が、その在職中に請託を受けて職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役に処する。

(あっせん収賄)
第百九十七条の四  公務員が請託を受け、他の公務員に職務上不正な行為をさせるように、又は相当の行為をさせないようにあっせんをすること又はしたことの報酬として、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役に処する。

(没収及び追徴)
第百九十七条の五  犯人又は情を知った第三者が収受した賄賂は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。

(贈賄)
第百九十八条  第百九十七条から第百九十七条の四までに規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は二百五十万円以下の罰金に処する。
   第二十六章 殺人の罪


(殺人)
第百九十九条  人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

第二百条  削除

(予備)
第二百一条  第百九十九条の罪を犯す目的で、その予備をした者は、二年以下の懲役に処する。ただし、情状により、その刑を免除することができる。

(自殺関与及び同意殺人)
第二百二条  人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、六月以上七年以下の懲役又は禁錮に処する。

(未遂罪)
第二百三条  第百九十九条及び前条の罪の未遂は、罰する。
   第二十七章 傷害の罪


(傷害)
第二百四条  人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

(傷害致死)
第二百五条  身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。

(現場助勢)
第二百六条  前二条の犯罪が行われるに当たり、現場において勢いを助けた者は、自ら人を傷害しなくても、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

(同時傷害の特例)
第二百七条  二人以上で暴行を加えて人を傷害した場合において、それぞれの暴行による傷害の軽重を知ることができず、又はその傷害を生じさせた者を知ることができないときは、共同して実行した者でなくても、共犯の例による。

(暴行)
第二百八条  暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

(危険運転致死傷)
第二百八条の二  アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。その進行を制御することが困難な高速度で、又はその進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させ、よって人を死傷させた者も、同様とする。
2  人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転し、よって人を死傷させた者も、前項と同様とする。赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転し、よって人を死傷させた者も、同様とする。

(凶器準備集合及び結集)
第二百八条の三  二人以上の者が他人の生命、身体又は財産に対し共同して害を加える目的で集合した場合において、凶器を準備して又はその準備があることを知って集合した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
2  前項の場合において、凶器を準備して又はその準備があることを知って人を集合させた者は、三年以下の懲役に処する。
   第二十八章 過失傷害の罪


(過失傷害)
第二百九条  過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する。
2  前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

(過失致死)
第二百十条  過失により人を死亡させた者は、五十万円以下の罰金に処する。

(業務上過失致死傷等)
第二百十一条  業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。
2  自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
   第二十九章 堕胎の罪


(堕胎)
第二百十二条  妊娠中の女子が薬物を用い、又はその他の方法により、堕胎したときは、一年以下の懲役に処する。

(同意堕胎及び同致死傷)
第二百十三条  女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させた者は、二年以下の懲役に処する。よって女子を死傷させた者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

(業務上堕胎及び同致死傷)
第二百十四条  医師、助産師、薬剤師又は医薬品販売業者が女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させたときは、三月以上五年以下の懲役に処する。よって女子を死傷させたときは、六月以上七年以下の懲役に処する。

(不同意堕胎)
第二百十五条  女子の嘱託を受けないで、又はその承諾を得ないで堕胎させた者は、六月以上七年以下の懲役に処する。
2  前項の罪の未遂は、罰する。

(不同意堕胎致死傷)
第二百十六条  前条の罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
   第三十章 遺棄の罪


(遺棄)
第二百十七条  老年、幼年、身体障害又は疾病のために扶助を必要とする者を遺棄した者は、一年以下の懲役に処する。

(保護責任者遺棄等)
第二百十八条  老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の懲役に処する。

(遺棄等致死傷)
第二百十九条  前二条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
   第三十一章 逮捕及び監禁の罪


(逮捕及び監禁)
第二百二十条  不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、三月以上七年以下の懲役に処する。

(逮捕等致死傷)
第二百二十一条  前条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
   第三十二章 脅迫の罪


(脅迫)
第二百二十二条  生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
2  親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。

(強要)
第二百二十三条  生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。
2  親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。
3  前二項の罪の未遂は、罰する。
   第三十三章 略取、誘拐及び人身売買の罪


(未成年者略取及び誘拐)
第二百二十四条  未成年者を略取し、又は誘拐した者は、三月以上七年以下の懲役に処する。

(営利目的等略取及び誘拐)
第二百二十五条  営利、わいせつ、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

(身の代金目的略取等)
第二百二十五条の二  近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じてその財物を交付させる目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、無期又は三年以上の懲役に処する。
2  人を略取し又は誘拐した者が近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じて、その財物を交付させ、又はこれを要求する行為をしたときも、前項と同様とする。

(所在国外移送目的略取及び誘拐)
第二百二十六条  所在国外に移送する目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、二年以上の有期懲役に処する。

(人身売買)
第二百二十六条の二  人を買い受けた者は、三月以上五年以下の懲役に処する。
2  未成年者を買い受けた者は、三月以上七年以下の懲役に処する。
3  営利、わいせつ、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を買い受けた者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
4  人を売り渡した者も、前項と同様とする。
5  所在国外に移送する目的で、人を売買した者は、二年以上の有期懲役に処する。

(被略取者等所在国外移送)
第二百二十六条の三  略取され、誘拐され、又は売買された者を所在国外に移送した者は、二年以上の有期懲役に処する。

(被略取者引渡し等)
第二百二十七条  第二百二十四条、第二百二十五条又は前三条の罪を犯した者を幇助する目的で、略取され、誘拐され、又は売買された者を引き渡し、収受し、輸送し、蔵匿し、又は隠避させた者は、三月以上五年以下の懲役に処する。
2  第二百二十五条の二第一項の罪を犯した者を幇助する目的で、略取され又は誘拐された者を引き渡し、収受し、輸送し、蔵匿し、又は隠避させた者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
3  営利、わいせつ又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、略取され、誘拐され、又は売買された者を引き渡し、収受し、輸送し、又は蔵匿した者は、六月以上七年以下の懲役に処する。
4  第二百二十五条の二第一項の目的で、略取され又は誘拐された者を収受した者は、二年以上の有期懲役に処する。略取され又は誘拐された者を収受した者が近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じて、その財物を交付させ、又はこれを要求する行為をしたときも、同様とする。

(未遂罪)
第二百二十八条  第二百二十四条、第二百二十五条、第二百二十五条の二第一項、第二百二十六条から第二百二十六条の三まで並びに前条第一項から第三項まで及び第四項前段の罪の未遂は、罰する。

(解放による刑の減軽)
第二百二十八条の二  第二百二十五条の二又は第二百二十七条第二項若しくは第四項の罪を犯した者が、公訴が提起される前に、略取され又は誘拐された者を安全な場所に解放したときは、その刑を減軽する。

(身の代金目的略取等予備)
第二百二十八条の三  第二百二十五条の二第一項の罪を犯す目的で、その予備をした者は、二年以下の懲役に処する。ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。

(親告罪)
第二百二十九条  第二百二十四条の罪、第二百二十五条の罪及びこれらの罪を幇助する目的で犯した第二百二十七条第一項の罪並びに同条第三項の罪並びにこれらの罪の未遂罪は、営利又は生命若しくは身体に対する加害の目的による場合を除き、告訴がなければ公訴を提起することができない。ただし、略取され、誘拐され、又は売買された者が犯人と婚姻をしたときは、婚姻の無効又は取消しの裁判が確定した後でなければ、告訴の効力がない。
   第三十四章 名誉に対する罪


(名誉毀損)
第二百三十条  公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
2  死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。

(公共の利害に関する場合の特例)
第二百三十条の二  前条第一項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
2  前項の規定の適用については、公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなす。
3  前条第一項の行為が公務員又は公選による公務員の候補者に関する事実に係る場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。

(侮辱)
第二百三十一条  事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。

(親告罪)
第二百三十二条  この章の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
2  告訴をすることができる者が天皇、皇后、太皇太后、皇太后又は皇嗣であるときは内閣総理大臣が、外国の君主又は大統領であるときはその国の代表者がそれぞれ代わって告訴を行う。
   第三十五章 信用及び業務に対する罪


(信用毀損及び業務妨害)
第二百三十三条  虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

(威力業務妨害)
第二百三十四条  威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。

(電子計算機損壊等業務妨害)
第二百三十四条の二  人の業務に使用する電子計算機若しくはその用に供する電磁的記録を損壊し、若しくは人の業務に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与え、又はその他の方法により、電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、又は使用目的に反する動作をさせて、人の業務を妨害した者は、五年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
   第三十六章 窃盗及び強盗の罪


(窃盗)
第二百三十五条  他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

(不動産侵奪)
第二百三十五条の二  他人の不動産を侵奪した者は、十年以下の懲役に処する。

(強盗)
第二百三十六条  暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。
2  前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

(強盗予備)
第二百三十七条  強盗の罪を犯す目的で、その予備をした者は、二年以下の懲役に処する。

(事後強盗)
第二百三十八条  窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。

(昏酔強盗)
第二百三十九条  人を昏酔させてその財物を盗取した者は、強盗として論ずる。

(強盗致死傷)
第二百四十条  強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

(強盗強姦及び同致死)
第二百四十一条  強盗が女子を強姦したときは、無期又は七年以上の懲役に処する。よって女子を死亡させたときは、死刑又は無期懲役に処する。

(他人の占有等に係る自己の財物)
第二百四十二条  自己の財物であっても、他人が占有し、又は公務所の命令により他人が看守するものであるときは、この章の罪については、他人の財物とみなす。

(未遂罪)
第二百四十三条  第二百三十五条から第二百三十六条まで及び第二百三十八条から第二百四十一条までの罪の未遂は、罰する。

(親族間の犯罪に関する特例)
第二百四十四条  配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第二百三十五条の罪、第二百三十五条の二の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。
2  前項に規定する親族以外の親族との間で犯した同項に規定する罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
3  前二項の規定は、親族でない共犯については、適用しない。

(電気)
第二百四十五条  この章の罪については、電気は、財物とみなす。
   第三十七章 詐欺及び恐喝の罪


(詐欺)
第二百四十六条  人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2  前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

(電子計算機使用詐欺)
第二百四十六条の二  前条に規定するもののほか、人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り、又は財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者は、十年以下の懲役に処する。

(背任)
第二百四十七条  他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

(準詐欺)
第二百四十八条  未成年者の知慮浅薄又は人の心神耗弱に乗じて、その財物を交付させ、又は財産上不法の利益を得、若しくは他人にこれを得させた者は、十年以下の懲役に処する。

(恐喝)
第二百四十九条  人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2  前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

(未遂罪)
第二百五十条  この章の罪の未遂は、罰する。

(準用)
第二百五十一条  第二百四十二条、第二百四十四条及び第二百四十五条の規定は、この章の罪について準用する。
   第三十八章 横領の罪


(横領)
第二百五十二条  自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の懲役に処する。
2  自己の物であっても、公務所から保管を命ぜられた場合において、これを横領した者も、前項と同様とする。

(業務上横領)
第二百五十三条  業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。

(遺失物等横領)
第二百五十四条  遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

(準用)
第二百五十五条  第二百四十四条の規定は、この章の罪について準用する。
   第三十九章 盗品等に関する罪


(盗品譲受け等)
第二百五十六条  盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、三年以下の懲役に処する。
2  前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、十年以下の懲役及び五十万円以下の罰金に処する。

(親族等の間の犯罪に関する特例)
第二百五十七条  配偶者との間又は直系血族、同居の親族若しくはこれらの者の配偶者との間で前条の罪を犯した者は、その刑を免除する。
2  前項の規定は、親族でない共犯については、適用しない。
   第四十章 毀棄及び隠匿の罪


(公用文書等毀棄)
第二百五十八条  公務所の用に供する文書又は電磁的記録を毀棄した者は、三月以上七年以下の懲役に処する。

(私用文書等毀棄)
第二百五十九条  権利又は義務に関する他人の文書又は電磁的記録を毀棄した者は、五年以下の懲役に処する。

(建造物等損壊及び同致死傷)
第二百六十条  他人の建造物又は艦船を損壊した者は、五年以下の懲役に処する。よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

(器物損壊等)
第二百六十一条  前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

(自己の物の損壊等)
第二百六十二条  自己の物であっても、差押えを受け、物権を負担し、又は賃貸したものを損壊し、又は傷害したときは、前三条の例による。

(境界損壊)
第二百六十二条の二  境界標を損壊し、移動し、若しくは除去し、又はその他の方法により、土地の境界を認識することができないようにした者は、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

(信書隠匿)
第二百六十三条  他人の信書を隠匿した者は、六月以下の懲役若しくは禁錮又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

(親告罪)
第二百六十四条  第二百五十九条、第二百六十一条及び前条の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

   附 則 (昭和一六年三月一二日法律第六一号)

本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム


   附 則 (昭和二二年一〇月二六日法律第一二四号)


○1  この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から、これを施行する。
○2  第二十六条第二項の改正規定は、刑の執行猶予の言渡を受けた者がこの法律施行前に更に罪を犯した場合については、これを適用しない。
○3  第三十四条ノ二の改正規定は、この法律施行前に刑の言渡又は刑の免除の言渡を受けた者にもこれを適用する。
○4  この法律施行前の行為については、刑法第五十五条、第二百八条第二項、第二百十一条後段、第二百四十四条及び第二百五十七条の改正規定にかかわらず、なお従前の例による。

   附 則 (昭和二八年八月一〇日法律第一九五号) 抄


1  この法律の施行期日は、昭和二八年十二月三十一日までの間において政令で定める。

   附 則 (昭和二九年四月一日法律第五七号) 抄


1  この法律は、昭和二九年八月三十一日までの間において政令で定める日から施行する。但し、刑法第一条第二項の改正規定及び附則第三項の規定は、公布の日から施行する。
2  この法律による改正後の刑法第二十五条ノ二第一項前段の規定は、この法律の施行前に犯された罪については、適用しない。但し、その罪とこの法律の施行後に犯された罪とにつき、刑法第四十七条又は第四十八条第二項の規定を適用して処断すべきときは、この限りでない。

   附 則 (昭和三三年四月三〇日法律第一〇七号)


1  この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
2  この法律の施行前の行為については、なお従前の例による。
3  罰金等臨時措置法(昭和二十三年法律第二百五十一号)第三条第一項の規定は、この法律による改正後の刑法第百五条ノ二、第百九十八条第二項及び第二百八条ノ二第一項の罪につき定めた罰金についても、適用されるものとする。

   附 則 (昭和三五年五月一六日法律第八三号)


1  この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
2  罰金等臨時措置法(昭和二十三年法律第二百五十一号)第三条第一項の規定は、この法律による改正後の刑法第二百六十二条ノ二の罪につき定めた罰金についても、適用されるものとする。

   附 則 (昭和三九年六月三〇日法律第一二四号)


1  この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
2  この法律の施行前にした行為については、この法律による改正後の刑法第二百二十八条ノ二及び第二百二十九条の規定にかかわらず、なお従前の例による。

   附 則 (昭和四三年五月二一日法律第六一号)


1  この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
2  この法律による改正後の刑法第四十五条の規定は、数罪中のある罪につき罰金以下の刑に処し、又は刑を免除する裁判がこの法律の施行前に確定した場合における当該数罪についても、適用する。ただし、当該数罪のすべてがこの法律の施行前に犯されたものであり、かつ、改正後の同条の規定を適用することが改正前の同条の規定を適用するよりも犯人に不利益となるときは、当該数罪については、改正前の同条の規定を適用する。
3  前項の規定は、この法律の施行前に確定した裁判の執行につき従前の例によることを妨げるものではない。

   附 則 (昭和五五年四月三〇日法律第三〇号)

 この法律は、公布の日から施行する。


   附 則 (昭和六二年六月二日法律第五二号) 抄


(施行期日)
1  この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。ただし、第一条中刑法第四条の次に一条を加える改正規定、第二条及び第三条の規定並びに次項の規定及び附則第四項中新東京国際空港の安全確保に関する緊急措置法(昭和五十三年法律第四十二号)第二条第一項第十一号の改正規定は、国際的に保護される者(外交官を含む。)に対する犯罪の防止及び処罰に関する条約又は人質をとる行為に関する国際条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。
(経過措置)
2  改正後の刑法第四条ノ二の規定並びに人質による強要行為等の処罰に関する法律第五条及び暴力行為等処罰に関する法律第一条ノ二第三項の規定(刑法第四条ノ二に係る部分に限る。)は、前項ただし書に規定する規定の施行の日以後に日本国について効力を生ずる条約並びに戦地にある軍隊の傷者及び病者の状態の改善に関する千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ条約、海上にある軍隊の傷者、病者及び難船者の状態の改善に関する千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ条約、捕虜の待遇に関する千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ条約及び戦時における文民の保護に関する千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ条約により日本国外において犯したときであつても罰すべきものとされる罪に限り適用する。
(罰金等臨時措置法の適用)
3  罰金等臨時措置法(昭和二十三年法律第二百五十一号)第三条第一項の規定は、この法律による改正後の刑法第百六十一条ノ二及び第二百三十四条ノ二の罪につき定めた罰金についても、適用されるものとする。

   附 則 (平成三年四月一七日法律第三一号) 抄


(施行期日)
1  この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
(条例の罰則に関する経過措置)
2  条例の罰則でこの法律の施行の際現に効力を有するものについては、この法律による改正後の刑法第十五条及び第十七条の規定にかかわらず、この法律の施行の日から一年を経過するまでは、なお従前の例による。その期限前にした行為に対してこれらの罰則を適用する場合には、その期限の経過後においても、同様とする。
(罰金の執行猶予の限度に関する経過措置)
3  この法律による改正後の刑法第二十五条の規定は、この法律の施行前にした行為についても、適用する。

   附 則 (平成七年五月一二日法律第九一号) 抄


(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。

(経過措置)
第二条  この法律の施行前にした行為の処罰並びに施行前に確定した裁判の効力及びその執行については、なお従前の例による。ただし、この法律による改正前の刑法第二百条、第二百五条第二項、第二百十八条第二項及び第二百二十条第二項の規定の適用については、この限りでない。
2  前項の規定にかかわらず、併合罪として処断すべき罪にこの法律の施行前に犯したものと施行後に犯したものがあるときは、この法律による改正後の刑法(以下この条において「新法」という。)第十条、第十四条、第四十五条から第五十条まで及び第五十三条の規定を適用し、一個の行為が二個以上の罪名に触れる場合又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れる場合において、これらの罪名に触れる行為にこの法律の施行前のものと施行後のものがあるときは、新法第十条及び第五十四条(同条第二項において適用する第四十九条第二項を含む。)の規定を適用する。
3  前項の規定により同項に規定する新法の規定を適用した後の刑の加重減軽、刑の執行の猶予その他の主刑の適用に関する処理については、新法の規定を適用する。

   附 則 (平成一三年七月四日法律第九七号) 抄


(施行期日)
1  この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。

   附 則 (平成一三年一二月五日法律第一三八号) 抄


(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。

(経過措置)
第二条  この法律の施行前にした行為の処罰については、なお従前の例による。

   附 則 (平成一三年一二月一二日法律第一五三号) 抄


(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

(処分、手続等に関する経過措置)
第四十二条  この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において同じ。)の規定によってした処分、手続その他の行為であって、改正後のそれぞれの法律の規定に相当の規定があるものは、この附則に別段の定めがあるものを除き、改正後のそれぞれの法律の相当の規定によってしたものとみなす。

(罰則に関する経過措置)
第四十三条  この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(経過措置の政令への委任)
第四十四条  この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

   附 則 (平成一五年七月一八日法律第一二二号) 抄


(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。

(経過措置)
第二条  この法律による改正後の刑法第三条の二の規定並びに附則第三条による改正後の暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)第一条ノ二第三項及び附則第四条による改正後の人質による強要行為等の処罰に関する法律(昭和五十三年法律第四十八号)第五条の規定(刑法第三条の二に係る部分に限る。)は、この法律の施行前にした行為については、適用しない。

   附 則 (平成一五年八月一日法律第一三八号) 抄


(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

   附 則 (平成一六年六月一八日法律第一一五号) 抄


(施行期日)
第一条  この法律は、第一追加議定書が日本国について効力を生ずる日から施行する。ただし、附則第三条の規定は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。

   附 則 (平成一六年一二月八日法律第一五六号) 抄


(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

第三条  この法律の施行前にした第一条の規定による改正前の刑法(以下「旧法」という。)第二百四十条の罪に当たる行為の処罰については、なお従前の例による。
2  この法律の施行前に犯した罪の公訴時効の期間については、第二条の規定による改正後の刑事訴訟法第二百五十条の規定にかかわらず、なお従前の例による。

第四条  併合罪として処断すべき罪にこの法律の施行前に犯したものと施行後に犯したものがある場合において、これらの罪について刑法第四十七条の規定により併合罪として有期の懲役又は禁錮の加重をするときは、旧法第十四条の規定を適用する。ただし、これらの罪のうちこの法律の施行後に犯したもののみについて第一条の規定による改正後の刑法第十四条の規定を適用して処断することとした場合の刑が、これらの罪のすべてについて旧法第十四条の規定を適用して処断することとした場合の刑より重い刑となるときは、その重い刑をもって処断する。


   附 則 (平成一七年五月二五日法律第五〇号) 抄


(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

(検討)
第四十一条  政府は、施行日から五年以内に、この法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

   附 則 (平成一七年六月二二日法律第六六号) 抄


(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。

(調整規定)
第二条  この法律の施行の日が犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律の施行の日前である場合には、第一条のうち刑法第三条第十二号及び第三条の二第五号の改正規定中「第三条第十二号」とあるのは「第三条第十一号」とし、第四条のうち組織的犯罪処罰法第三条第一項第八号の改正規定中「第三条第一項第八号」とあるのは「第三条第一項第四号」とする。

第三条  この法律の施行の日が犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律の施行の日前である場合には、同法の施行の日の前日までの間における組織的犯罪処罰法別表の規定の適用については、同表第二号ワ中「国外移送目的略取等、被略取者収受等」とあるのは、「所在国外移送目的略取及び誘拐、人身売買、被略取者等所在国外移送、被略取者引渡し等」とする。

第四条  この法律の施行の日が旅券法及び組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する法律第一条中旅券法第二十三条の改正規定の施行の日前である場合には、当該改正規定の施行の日の前日までの間における第三条の規定による改正後の出入国管理及び難民認定法第二十四条第四号ニ及びヨ並びに第二十四条の二第二号の規定の適用については、同法第二十四条第四号ニ中「旅券法(昭和二十六年法律第二百六十七号)第二十三条第一項(第六号を除く。)から第三項までの罪により刑に処せられた者」とあるのは「削除」とし、同号ヨ中「イからカまで」とあるのは「イからハまで及びホからカまで」とし、同法第二十四条の二第二号中「第四号ハ」とあるのは「第四号ハ及びホ」とする。
2  附則第一条第三号に掲げる規定の施行の日が旅券法及び組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する法律第一条中旅券法第二十三条の改正規定の施行の日前である場合には、当該改正規定の施行の日の前日までの間における第三条の規定による改正後の出入国管理及び難民認定法第六十一条の二の二第一項第三号及び第六十一条の二の四第一項第五号の規定の適用については、これらの規定中「第四号ハ」とあるのは、「第四号ハ及びホ」とする。

第五条  附則第一条第四号に掲げる規定の施行の日が旅券法及び組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する法律第二条の規定の施行の日前である場合には、第四条のうち、組織的犯罪処罰法第二条第二項第一号イの改正規定中「別表第一第一号、第二号若しくは第四号から第六号まで」を「別表第一(第三号を除く。)」とあるのは「、第四号若しくは第五号」を「若しくは第四号から第九号まで」とし、組織的犯罪処罰法別表第一第四号ニ中「ト」を「ル」に改め、同号ト中「ヘ」を「ヌ」に改め、同号中トをルとし、ヘをヌとし、ホをヘとし、ヘの次にト、チ及びリを加える改正規定中「別表第一第四号ニ中「ト」を「ル」に改め、同号ト中「ヘ」を「ヌ」に改め、同号中トをルとし、」とあるのは「別表第一第四号ニ中「ヘ」を「ヌ」に改め、同号ヘ中「ホ」を「リ」に改め、同号中」とし、組織的犯罪処罰法別表第一中第六号を第十号とし、第五号を第六号とし、同号の次に三号を加える改正規定中「第六号を第十号とし、第五号」とあるのは「第五号」とする。
2  前項の場合において、旅券法及び組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する法律第二条のうち、組織的犯罪処罰法第二条第二項第一号イの改正規定中「、第四号若しくは第五号」を「若しくは第四号から第六号まで」とあるのは「別表第一第一号、第二号若しくは第四号から第九号まで」を「別表第一(第三号を除く。)」とし、組織的犯罪処罰法別表第一第四号ニ中「ヘ」を「ト」に改め、同号ヘ中「ホ」を「ヘ」に改め、同号中ヘをトとし、ホの次にヘを加える改正規定中「別表第一第四号ニ中「ヘ」を「ト」に改め、同号ヘ中「ホ」を「ヘ」に改め、同号中ヘをトとし、ホ」とあるのは「別表第一第四号ニ中「ヌ」を「ル」に改め、同号ヌ中「リ」を「ヌ」に改め、同号中ヌをルとし、リ」とし、「ヘ 旅券法」とあるのは「ヌ 旅券法」とし、組織的犯罪処罰法別表第一に一号を加える改正規定中「六 旅券法」とあるのは「十 旅券法」とする。

(罰則に関する経過措置)
第十条  この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

   附 則 (平成一八年五月八日法律第三六号) 抄


(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。

(経過措置)
第二条  次に掲げる罰金又は科料の執行(労役場留置の執行を含む。)については、第一条の規定による改正後の刑法第十八条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
一  この法律の施行前にした行為について科せられた罰金又は科料
二  刑法第四十八条第二項の規定により併合罪として処断された罪にこの法律の施行前に犯したものと施行後に犯したものがある場合において、これらの罪に当たる行為について科せられた罰金

   附 則 (平成一九年五月二三日法律第五四号) 抄


(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。

(経過措置)
第二条  この法律の施行前にした行為の処罰については、なお従前の例による。


刑事訴訟法

(昭和二十三年七月十日法律第百三十一号)


最終改正:平成一九年六月二七日法律第九五号


(最終改正までの未施行法令)
平成十六年五月二十八日法律第六十二号 (一部未施行)

平成十九年五月二十三日法律第五十四号 (未施行)

平成十九年五月三十日法律第六十号 (未施行)

平成十九年六月二十七日法律第九十五号 (一部未施行)

 

 第一編 総則(第一条)
  第一章 裁判所の管轄(第二条―第十九条)
  第二章 裁判所職員の除斥及び忌避(第二十条―第二十六条)
  第三章 訴訟能力(第二十七条―第二十九条)
  第四章 弁護及び補佐(第三十条―第四十二条)
  第五章 裁判(第四十三条―第四十六条)
  第六章 書類及び送達(第四十七条―第五十四条)
  第七章 期間(第五十五条・第五十六条)
  第八章 被告人の召喚、勾引及び勾留(第五十七条―第九十八条)
  第九章 押収及び捜索(第九十九条―第百二十七条)
  第十章 検証(第百二十八条―第百四十二条)
  第十一章 証人尋問(第百四十三条―第百六十四条)
  第十二章 鑑定(第百六十五条―第百七十四条)
  第十三章 通訳及び翻訳(第百七十五条―第百七十八条)
  第十四章 証拠保全(第百七十九条・第百八十条)
  第十五章 訴訟費用(第百八十一条―第百八十八条)
  第十六章 費用の補償(第百八十八条の二―第百八十八条の七)
 第二編 第一審
  第一章 捜査(第百八十九条―第二百四十六条)
  第二章 公訴(第二百四十七条―第二百七十条)
  第三章 公判
   第一節 公判準備及び公判手続(第二百七十一条―第三百十六条)
   第一節の二 争点及び証拠の整理手続
    第一款 公判前整理手続
     第一目 通則(第三百十六条の二―第三百十六条の十二)
     第二目 争点及び証拠の整理(第三百十六条の十三―第三百十六条の二十四)
     第三目 証拠開示に関する裁定(第三百十六条の二十五―第三百十六条の二十七)
    第二款 期日間整理手続(第三百十六条の二十八)
    第三款 公判手続の特例(第三百十六条の二十九―第三百十六条の三十二)
   第二節 証拠(第三百十七条―第三百二十八条)
   第三節 公判の裁判(第三百二十九条―第三百五十条)
  第四章 即決裁判手続
   第一節 即決裁判手続の申立て(第三百五十条の二・第三百五十条の三)
   第二節 公判準備及び公判手続の特例(第三百五十条の四―第三百五十条の十一)
   第三節 証拠の特例(第三百五十条の十二)
   第四節 公判の裁判の特例(第三百五十条の十三・第三百五十条の十四)
 第三編 上訴
  第一章 通則(第三百五十一条―第三百七十一条)
  第二章 控訴(第三百七十二条―第四百四条)
  第三章 上告(第四百五条―第四百十八条)
  第四章 抗告(第四百十九条―第四百三十四条)
 第四編 再審(第四百三十五条―第四百五十三条)
 第五編 非常上告(第四百五十四条―第四百六十条)
 第六編 略式手続(第四百六十一条―第四百七十条)
 第七編 裁判の執行(第四百七十一条―第五百七条)
  第一編 総則

第一条  この法律は、刑事事件につき、公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正且つ迅速に適用実現することを目的とする。
   第一章 裁判所の管轄


第二条  裁判所の土地管轄は、犯罪地又は被告人の住所、居所若しくは現在地による。
○2  国外に在る日本船舶内で犯した罪については、前項に規定する地の外、その船舶の船籍の所在地又は犯罪後その船舶の寄泊した地による。
○3  国外に在る日本航空機内で犯した罪については、第一項に規定する地の外、犯罪後その航空機の着陸(着水を含む。)した地による。

第三条  事物管轄を異にする数個の事件が関連するときは、上級の裁判所は、併せてこれを管轄することができる。
○2  高等裁判所の特別権限に属する事件と他の事件とが関連するときは、高等裁判所は、併せてこれを管轄することができる。

第四条  事物管轄を異にする数個の関連事件が上級の裁判所に係属する場合において、併せて審判することを必要としないものがあるときは、上級の裁判所は、決定で管轄権を有する下級の裁判所にこれを移送することができる。

第五条  数個の関連事件が各別に上級の裁判所及び下級の裁判所に係属するときは、事物管轄にかかわらず、上級の裁判所は、決定で下級の裁判所の管轄に属する事件を併せて審判することができる。
○2  高等裁判所の特別権限に属する事件が高等裁判所に係属し、これと関連する事件が下級の裁判所に係属するときは、高等裁判所は、決定で下級の裁判所の管轄に属する事件を併せて審判することができる。

第六条  土地管轄を異にする数個の事件が関連するときは、一個の事件につき管轄権を有する裁判所は、併せて他の事件を管轄することができる。但し、他の法律の規定により特定の裁判所の管轄に属する事件は、これを管轄することができない。

第七条  土地管轄を異にする数個の関連事件が同一裁判所に係属する場合において、併せて審判することを必要としないものがあるときは、その裁判所は、決定で管轄権を有する他の裁判所にこれを移送することができる。

第八条  数個の関連事件が各別に事物管轄を同じくする数個の裁判所に係属するときは、各裁判所は、検察官又は被告人の請求により、決定でこれを一の裁判所に併合することができる。
○2  前項の場合において各裁判所の決定が一致しないときは、各裁判所に共通する直近上級の裁判所は、検察官又は被告人の請求により、決定で事件を一の裁判所に併合することができる。

第九条  数個の事件は、左の場合に関連するものとする。
一  一人が数罪を犯したとき。
二  数人が共に同一又は別個の罪を犯したとき。
三  数人が通謀して各別に罪を犯したとき。
○2  犯人蔵匿の罪、証憑湮滅の罪、偽証の罪、虚偽の鑑定通訳の罪及び贓物に関する罪とその本犯の罪とは、共に犯したものとみなす。

第十条  同一事件が事物管轄を異にする数個の裁判所に係属するときは、上級の裁判所が、これを審判する。
○2  上級の裁判所は、検察官又は被告人の請求により、決定で管轄権を有する下級の裁判所にその事件を審判させることができる。

第十一条  同一事件が事物管轄を同じくする数個の裁判所に係属するときは、最初に公訴を受けた裁判所が、これを審判する。
○2  各裁判所に共通する直近上級の裁判所は、検察官又は被告人の請求により、決定で後に公訴を受けた裁判所にその事件を審判させることができる。

第十二条  裁判所は、事実発見のため必要があるときは、管轄区域外で職務を行うことができる。
○2  前項の規定は、受命裁判官にこれを準用する。

第十三条  訴訟手続は、管轄違の理由によつては、その効力を失わない。

第十四条  裁判所は、管轄権を有しないときでも、急速を要する場合には、事実発見のため必要な処分をすることができる。
○2  前項の規定は、受命裁判官にこれを準用する。

第十五条  検察官は、左の場合には、関係のある第一審裁判所に共通する直近上級の裁判所に管轄指定の請求をしなければならない。
一  裁判所の管轄区域が明らかでないため管轄裁判所が定まらないとき。
二  管轄違を言い渡した裁判が確定した事件について他に管轄裁判所がないとき。

第十六条  法律による管轄裁判所がないとき、又はこれを知ることができないときは、検事総長は、最高裁判所に管轄指定の請求をしなければならない。

第十七条  検察官は、左の場合には、直近上級の裁判所に管轄移転の請求をしなければならない。
一  管轄裁判所が法律上の理由又は特別の事情により裁判権を行うことができないとき。
二  地方の民心、訴訟の状況その他の事情により裁判の公平を維持することができない虞があるとき。
○2  前項各号の場合には、被告人も管轄移転の請求をすることができる。

第十八条  犯罪の性質、地方の民心その他の事情により管轄裁判所が審判をするときは公安を害する虞があると認める場合には、検事総長は、最高裁判所に管轄移転の請求をしなければならない。

第十九条  裁判所は、適当と認めるときは、検察官若しくは被告人の請求により又は職権で、決定を以て、その管轄に属する事件を事物管轄を同じくする他の管轄裁判所に移送することができる。
○2  移送の決定は、被告事件につき証拠調を開始した後は、これをすることができない。
○3  移送の決定又は移送の請求を却下する決定に対しては、その決定により著しく利益を害される場合に限り、その事由を疎明して、即時抗告をすることができる。
   第二章 裁判所職員の除斥及び忌避


第二十条  裁判官は、次に掲げる場合には、職務の執行から除斥される。
一  裁判官が被害者であるとき。
二  裁判官が被告人又は被害者の親族であるとき、又はあつたとき。
三  裁判官が被告人又は被害者の法定代理人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人であるとき。
四  裁判官が事件について証人又は鑑定人となつたとき。
五  裁判官が事件について被告人の代理人、弁護人又は補佐人となつたとき。
六  裁判官が事件について検察官又は司法警察員の職務を行つたとき。
七  裁判官が事件について第二百六十六条第二号の決定、略式命令、前審の裁判、第三百九十八条乃至第四百条、第四百十二条若しくは第四百十三条の規定により差し戻し、若しくは移送された場合における原判決又はこれらの裁判の基礎となつた取調べに関与したとき。ただし、受託裁判官として関与した場合は、この限りでない。

第二十一条  裁判官が職務の執行から除斥されるべきとき、又は不公平な裁判をする虞があるときは、検察官又は被告人は、これを忌避することができる。
○2  弁護人は、被告人のため忌避の申立をすることができる。但し、被告人の明示した意思に反することはできない。

第二十二条  事件について請求又は陳述をした後には、不公平な裁判をする虞があることを理由として裁判官を忌避することはできない。但し、忌避の原因があることを知らなかつたとき、又は忌避の原因がその後に生じたときは、この限りでない。

第二十三条  合議体の構成員である裁判官が忌避されたときは、その裁判官所属の裁判所が、決定をしなければならない。この場合においてその裁判所が地方裁判所又は家庭裁判所であるときは、合議体で決定をしなければならない。
○2  地方裁判所又は家庭裁判所の一人の裁判官が忌避されたときはその裁判官所属の裁判所が、簡易裁判所の裁判官が忌避されたときは管轄地方裁判所が、合議体で決定をしなければならない。ただし、忌避された裁判官が忌避の申立てを理由があるものとするときは、その決定があつたものとみなす。
○3  忌避された裁判官は、前二項の決定に関与することができない。
○4  裁判所が忌避された裁判官の退去により決定をすることができないときは、直近上級の裁判所が、決定をしなければならない。

第二十四条  訴訟を遅延させる目的のみでされたことの明らかな忌避の申立は、決定でこれを却下しなければならない。この場合には、前条第三項の規定を適用しない。第二十二条の規定に違反し、又は裁判所の規則で定める手続に違反してされた忌避の申立を却下する場合も、同様である。
○2  前項の場合には、忌避された受命裁判官、地方裁判所若しくは家庭裁判所の一人の裁判官又は簡易裁判所の裁判官は、忌避の申立てを却下する裁判をすることができる。

第二十五条  忌避の申立を却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。

第二十六条  この章の規定は、第二十条第七号の規定を除いて、裁判所書記にこれを準用する。
○2  決定は、裁判所書記所属の裁判所がこれをしなければならない。但し、第二十四条第一項の場合には、裁判所書記の附属する受命裁判官が、忌避の申立を却下する裁判をすることができる。
   第三章 訴訟能力


第二十七条  被告人又は被疑者が法人であるときは、その代表者が、訴訟行為についてこれを代表する。
○2  数人が共同して法人を代表する場合にも、訴訟行為については、各自が、これを代表する。

第二十八条  刑法 (明治四十年法律第四十五号)第三十九条 又は第四十一条 の規定を適用しない罪に当たる事件について、被告人又は被疑者が意思能力を有しないときは、その法定代理人(親権者が二人あるときは、各自。以下同じ。)が、訴訟行為についてこれを代理する。

第二十九条  前二条の規定により被告人を代表し、又は代理する者がないときは、検察官の請求により又は職権で、特別代理人を選任しなければならない。 
○2  前二条の規定により被疑者を代表し、又は代理する者がない場合において、検察官、司法警察員又は利害関係人の請求があつたときも、前項と同様である。
○3  特別代理人は、被告人又は被疑者を代表し又は代理して訴訟行為をする者ができるまで、その任務を行う。
   第四章 弁護及び補佐


第三十条  被告人又は被疑者は、何時でも弁護人を選任することができる。
○2  被告人又は被疑者の法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹は、独立して弁護人を選任することができる。

第三十一条  弁護人は、弁護士の中からこれを選任しなければならない。
○2  簡易裁判所、家庭裁判所又は地方裁判所においては、裁判所の許可を得たときは、弁護士でない者を弁護人に選任することができる。但し、地方裁判所においては、他に弁護士の中から選任された弁護人がある場合に限る。

第三十一条の二  弁護人を選任しようとする被告人又は被疑者は、弁護士会に対し、弁護人の選任の申出をすることができる。
○2  弁護士会は、前項の申出を受けた場合は、速やかに、所属する弁護士の中から弁護人となろうとする者を紹介しなければならない。
○3  弁護士会は、前項の弁護人となろうとする者がないときは、当該申出をした者に対し、速やかに、その旨を通知しなければならない。同項の規定により紹介した弁護士が被告人又は被疑者がした弁護人の選任の申込みを拒んだときも、同様とする。

第三十二条  公訴の提起前にした弁護人の選任は、第一審においてもその効力を有する。
○2  公訴の提起後における弁護人の選任は、審級ごとにこれをしなければならない。

第三十三条  被告人に数人の弁護人があるときは、裁判所の規則で、主任弁護人を定めなければならない。

第三十四条  前条の規定による主任弁護人の権限については、裁判所の規則の定めるところによる。

第三十五条  裁判所は、裁判所の規則の定めるところにより、被告人又は被疑者の弁護人の数を制限することができる。但し、被告人の弁護人については、特別の事情のあるときに限る。

第三十六条  被告人が貧困その他の事由により弁護人を選任することができないときは、裁判所は、その請求により、被告人のため弁護人を附しなければならない。但し、被告人以外の者が選任した弁護人がある場合は、この限りでない。

第三十六条の二  この法律により弁護人を要する場合を除いて、被告人が前条の請求をするには、資力申告書(その者に属する現金、預金その他政令で定めるこれらに準ずる資産の合計額(以下「資力」という。)及びその内訳を申告する書面をいう。以下同じ。)を提出しなければならない。

第三十六条の三  この法律により弁護人を要する場合を除いて、その資力が基準額(標準的な必要生計費を勘案して一般に弁護人の報酬及び費用を賄うに足りる額として政令で定める額をいう。以下同じ。)以上である被告人が第三十六条の請求をするには、あらかじめ、その請求をする裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内に在る弁護士会に第三十一条の二第一項の申出をしていなければならない。
○2  前項の規定により第三十一条の二第一項の申出を受けた弁護士会は、同条第三項の規定による通知をしたときは、前項の地方裁判所又は当該被告事件が係属する裁判所に対し、その旨を通知しなければならない。

第三十七条  左の場合に被告人に弁護人がないときは、裁判所は、職権で弁護人を附することができる。
一  被告人が未成年者であるとき。
二  被告人が年齢七十年以上の者であるとき。
三  被告人が耳の聞えない者又は口のきけない者であるとき。
四  被告人が心神喪失者又は心神耗弱者である疑があるとき。
五  その他必要と認めるとき。

第三十七条の二  死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁錮に当たる事件について被疑者に対して勾留状が発せられている場合において、被疑者が貧困その他の事由により弁護人を選任することができないときは、裁判官は、その請求により、被疑者のため弁護人を付さなければならない。ただし、被疑者以外の者が選任した弁護人がある場合又は被疑者が釈放された場合は、この限りでない。
○2  前項の請求は、同項に規定する事件について勾留を請求された被疑者も、これをすることができる。

第三十七条の三  前条第一項の請求をするには、資力申告書を提出しなければならない。
○2  その資力が基準額以上である被疑者が前条第一項の請求をするには、あらかじめ、その勾留の請求を受けた裁判官の所属する裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内に在る弁護士会に第三十一条の二第一項の申出をしていなければならない。
○3  前項の規定により第三十一条の二第一項の申出を受けた弁護士会は、同条第三項の規定による通知をしたときは、前項の地方裁判所に対し、その旨を通知しなければならない。

第三十七条の四  裁判官は、第三十七条の二第一項に規定する事件について被疑者に対して勾留状が発せられ、かつ、これに弁護人がない場合において、精神上の障害その他の事由により弁護人を必要とするかどうかを判断することが困難である疑いがある被疑者について必要があると認めるときは、職権で弁護人を付することができる。ただし、被疑者が釈放された場合は、この限りでない。

第三十七条の五  裁判官は、死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる事件について第三十七条の二第一項又は前条の規定により弁護人を付する場合又は付した場合において、特に必要があると認めるときは、職権で更に弁護人一人を付することができる。ただし、被疑者が釈放された場合は、この限りでない。

第三十八条  この法律の規定に基づいて裁判所若しくは裁判長又は裁判官が付すべき弁護人は、弁護士の中からこれを選任しなければならない。
○2  前項の規定により選任された弁護人は、旅費、日当、宿泊料及び報酬を請求することができる。

第三十八条の二  裁判官による弁護人の選任は、被疑者がその選任に係る事件について釈放されたときは、その効力を失う。ただし、その釈放が勾留の執行停止によるときは、この限りでない。

第三十八条の三  裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、裁判所若しくは裁判長又は裁判官が付した弁護人を解任することができる。
一  第三十条の規定により弁護人が選任されたことその他の事由により弁護人を付する必要がなくなつたとき。
二  被告人と弁護人との利益が相反する状況にあり弁護人にその職務を継続させることが相当でないとき。
三  心身の故障その他の事由により、弁護人が職務を行うことができず、又は職務を行うことが困難となつたとき。
四  弁護人がその任務に著しく反したことによりその職務を継続させることが相当でないとき。
五  弁護人に対する暴行、脅迫その他の被告人の責めに帰すべき事由により弁護人にその職務を継続させることが相当でないとき。
○2  弁護人を解任するには、あらかじめ、その意見を聴かなければならない。
○3  弁護人を解任するに当たつては、被告人の権利を不当に制限することがないようにしなければならない。
○4  公訴の提起前は、裁判官が付した弁護人の解任は、裁判官がこれを行う。この場合においては、前三項の規定を準用する。

第三十八条の四  裁判所又は裁判官の判断を誤らせる目的で、その資力について虚偽の記載のある資力申告書を提出した者は、十万円以下の過料に処する。

第三十九条  身体の拘束を受けている被告人又は被疑者は、弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者(弁護士でない者にあつては、第三十一条第二項の許可があつた後に限る。)と立会人なくして接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができる。
○2  前項の接見又は授受については、法令(裁判所の規則を含む。以下同じ。)で、被告人又は被疑者の逃亡、罪証の隠滅又は戒護に支障のある物の授受を防ぐため必要な措置を規定することができる。
○3  検察官、検察事務官又は司法警察職員(司法警察員及び司法巡査をいう。以下同じ。)は、捜査のため必要があるときは、公訴の提起前に限り、第一項の接見又は授受に関し、その日時、場所及び時間を指定することができる。但し、その指定は、被疑者が防禦の準備をする権利を不当に制限するようなものであつてはならない。

第四十条  弁護人は、公訴の提起後は、裁判所において、訴訟に関する書類及び証拠物を閲覧し、且つ謄写することができる。但し、証拠物を謄写するについては、裁判長の許可を受けなければならない。
○2  前項の規定にかかわらず、第百五十七条の四第三項に規定する記録媒体は、謄写することができない。

第四十一条  弁護人は、この法律に特別の定のある場合に限り、独立して訴訟行為をすることができる。

第四十二条  被告人の法定代理人、保佐人、配偶者、